精神の生活〈上 第一部 思考〉

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  • サイズ A5判/ページ数 346p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000029827
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

プラトン以来のヨーロッパ哲学の伝統的流れの中に含まれる全体主義的要素をえぐりだし、精神の営みを軽視する現代社会の危険性を警告する。

内容説明

人間の精神の営みは何のためにあるのか、ナチスの蛮行のような巨悪は人間が「考えない」ことにかかわって生まれるのではないのか―生涯をかけて人間の自由と全体主義的独裁の問題を追究したH.アーレントの遺著。ヨーロッパ哲学の正統的な流れに含まれる危険な要素をえぐり出し、現代社会の「思考の欠如」の行く末を厳しく警告する。

目次

第1章 現象(世界の現象するという性格;〈真の〉存在と〈単なる〉現象=二世界論;形而上学的ヒエラルキーの逆転=表面の価値;身体と魂、魂と精神;現象と仮象;考える自我と自己=カント;現実と思考する自我=デカルト的懐疑とセンスス・コムニス;科学と常識、カントによる知性と理性の区別、真理と意味)
第2章 現象世界の中での精神活動(見えないことと退きこもること;思考と常識との内輪争い;思考と行為=観察者;言語と比喩;比喩と言い表わしえないもの)
第3章 我々が思考するのは何によってであるか(ギリシア哲学が哲学の前に前提としたこと;プラトンの解答とその残響;ローマ人の答え;ソクラテスの答え;〈一者のなかの二者〉)
第4章 思考するとき、我々はどこにいるか(「時に私は思考し、時に私は存在する」;過去と未来の間の溝=ヌンク・スタンス;補遺)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chanvesa

20
非常に難しい。ソクラテス~メルロ=ポンティぐらいまでの哲学の要点をわしづかみにしていないので、置いてきぼりにされた。哲学における比喩の問題、カント『判断力批判』への関心、現象学など、彼女の政治哲学者としての著作において正面切って論じられて来なかったようなことが溢れ出てくる。しかし、『イスラエルのアイヒマン』以来の、凡庸な悪を越えて「考えること」の意味を突き詰めるという彼女の思考がこの本で貫かれている。「思考活動は、この世界からも、その事実重視の性格からも、根本的に退きこもる」(66頁)ことと、「思考という2017/04/16

🍒

2
哲学や政治学の素養がない私が読むと非常に難しかったです。最初、精神分析や精神科医料について書かれた本科と思いましたが全く違う哲学書に近い感じでした。書かれてることはさっぱり分からなかったけど、人間の「精神活動」など知りたいことや疑問点などが生まれたのでまた読んで勉強したいです。 解説文呼んでハンナ・アーレントが今作を書いたのはナチス戦犯がなんの思想もなく残虐な行為を行っていたからだと知り、立ち止まって考えない思考の欠如の怖さを思い知りました。2023/04/28

Kanou Hikaru

0
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