出版社内容情報
ドイツの『イーリアス』といわれる中世叙事詩の雄編.竜の血を浴びて不死身になった英雄ジーフリトも妃の兄グンテル王の重臣ハゲネの奸計により暗殺され,骨肉相喰む凄惨な闘いが展開する.古いゲルマンの心を伝える英雄歌謡や伝説に材を取り美しい形式と緊密な劇的構成をもつ本書はドイツ文学最初の記念すべき高峯である.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
47
ドイツ版イーリアスに位置づけされる作品。ほぼ不死身になったジーフリトが、フンデル王の妹君クリエムヒルトを嫁にもらうため、フンデル王の難問を次々と解決していく。そして王の見初めたプリュンヒルトを、王の妃とするために、一手を講じるのだが、それが後々、あだとなり自らの命を落とすことになった。物語は淡々と進むので、読みやすいが、イーリアスに比べ、迫力に欠ける。たぶん、神の介入がない(イーリアスの場合、神の介入という視点が入るので面白さが増す)、つまり、視点が固定されてしまっていることが要因として挙げられる。2015/01/08
fseigojp
27
みなさん この伝説の主人公はジークフリードではありません ブリュンヒルドとクリイムフェルトの女の戦いです 後編につづく 2017/06/02
ホームズ
20
久々に再読。やはり面白いな~。前半のジーフリトの活躍の場面は好きだな~。ブリュンヒルトへの行為とかは少し理解できないけど・・・。グンテル王はそれでよかったのか?嘘から徐々に関係が悪くなりそこから起きる悲劇。クレイムヒルトが起こすこれからの悲劇をおもうと悲しいな~。ジークフリートではなくジーフリトというのが少し違和感が・・・。2012/07/01
蛇の婿
15
ジーフリトの龍退治や『隠れ蓑』を手に入れるくだりの、冒険譚としての面白いと思われるエピソードがあっさり片付けられているのを読んで、ああ、なるほどこの話の主人公はやっぱりクリエムヒルトの方なのだなぁと納得。…子供のころになんだかこの話の映画を観たような記憶があるのですが、あまりに子供のころの断片的な記憶なのでよく覚えていないのですw機会があったら探して観てみようかと。あとこれ北欧神話のほうの話とも比較して読んでみたい気がしますね。2014/06/07
テツ
14
日本人でもなんとなくうっすらと物語を知っているおなじみのドイツの叙事詩。恥ずかしながらきちんと読んだことがないと話したら知り合いから頂きました。前編はジーフリト(ジークフリート)の冒険譚。血気盛んで勇猛で賢い彼がとにかくひたすらフンデル王の出す難題に立ち向かっていく揺るがない姿勢と真面目な物語に古代から受け継がれるゲルマン人魂を感じる(適当) 現代においても多くの創作物の元ネタとして使われるくらい魅力的なお話なので面白かったです。下巻も楽しみ。2016/04/21