出版社内容情報
東南アジアを中心に,世界各地に広がる華僑たち.彼らはいつどのように移住・定着し,いまどのような状況にあるのか.一六世紀以降に本格的に展開する華僑社会は,受容する社会の性格に応じて,独自の摩擦・競合・同化の過程をたどった.その諸相を立体的に分析し,さらに近代・現代の状況をあきらかにする待望の書.
内容説明
東南アジアを中心に、世界各地に広がる華僑たち。彼らはいつどのように移住・定着し、いまどのような状況にあるのか。一六世紀以降に本格的に展開する華僑社会は、受容する社会の性格に応じて、独自の摩擦・競合・同化の過程をたどった。その諸相を立体的に分析し、さらに近代・現代の状況をあきらかにする待望の書。
目次
第1章 昴揚するアジア海上活動―12~16世紀
第2章 摩擦・競合・同化―17~19世紀
第3章 大量出国の時代―19世紀後半から20世紀なかば
第4章 ナショナリズムと異化・同化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saito Susumu
0
1ページ目の書き込みをみると、1995年の8月に一度読了してるらしい。 再読したけれど完全に内容忘れていた。 こんな良い本の中味を忘れるくらいだから、おバカのままなんだね。 こういう本を書ける人を学者と呼ぶのだろうな。2016/08/12
yagian
0
太平洋における大航海時代から近代までの歴史を追いかけている。いままでは主に西洋の側から見ていたけれど、中華圏の視点から見ることができ、新鮮かつ参考になった。プラナカン、ババニョニャ、ストレイトチャイニーズといった存在が、西洋の進出と関係を持っていることが確認できた。また、華僑というアイデンティティそのものが中国の民族主義、国民国家化と関係を持ちつつ成立したという指摘は興味深い。2014/12/09
usoki
0
ネットワークでサバイバル2009/04/11
muny
0
この世代の学者さんは本当に文章がうまい。簡潔な言葉で情景や内容が目に浮かぶようだ。一口に華僑といっても福建・広東・浙江の系統があるし、受け入れる側の環境や制度の違いによってタイのように商業階級を補うものとして早期に同化されたりインドネシアのようにオランダの都市集住政策によって同化されなかったりした。欲を言えば、日本の華僑の現代史、長崎の陳さんや関西の呉さんなど、についてもう少し教えてほしかった。2022/07/01