岩波現代文庫
福沢諭吉『文明論之概略』精読

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  • サイズ 文庫判/ページ数 298p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001421
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0121

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

52
【福沢は、何と抗争し、何を解体しようとし、何を新たに日本に据えようとしたのか】福沢文明論の分析を通して、ラジカルな日本改造の可能性を探り出した、現代日本の進路を問い直す新しい読解。著者は「あとがき」で、<『文明論之概略』とは日本の文明論的な国家の設計である。彼の課題がそうであるかぎり、『概略』は決してヨーロッパ文明論の単なる翻訳紹介ではない。それは後進国日本の内外の現状と激しく切り結びながら発せられた文明論という言説である。福沢の新生国家日本の文明論的設計は、したがって激しく抗争せざるをえないのだ>と。⇒2024/02/01

うえ

7
「宗教たとえばキリスト教をもって人心を教化し、人倫を正し、社会道徳を確立しようという議論自体は決して誤ったものではなく、世の文明化に大きく貢献するものだと福沢はいう。だがキリスト教の影響を政治にも及ぼし、一国の独立と国民統合の基礎をこれをもって確立しようという議論には異論があると福沢はいう…キリスト教を含む西洋の「普遍的」文明のアジア諸国における受容とは、先進国から強いられた贈り物の受領という性格をもっている。ウォーラステインは…後進国へのこの「普遍的」文明の贈与とはダブルバインドの贈り物だといっている」2022/12/14

MrO

2
読書会で話を聞いていた時には、あんなに面白かったのに、活字になると頭に入ってこない。まだまだ修行が足りないか。2019/06/10

hidehi

1
丸山真男の「読む」への対抗心がすごい… 福沢がかなり明快に書いているだけあって、内容に大きな違いは出てきようもないので、どうしても些末な解釈の違いを強調するようなことになってしまうのかもしれない。ただ最後の福沢の「怒り」についてはこちらの本に分があると思う。しかしながら福沢の言っていることが現代の状況でもほとんど通用するのが凄い。現在こそ切実な問題になってきていて、さらに読む価値のある本になっているのではないかと感じた。2021/09/04

えふぇくたー

1
多少の周辺情報は得ることができたが、期待していたほどの新たな収穫はなし。福沢の恐ろしさを既に理解してる人なら原書に加えてわざわざ読む必要があるかは疑問。いちいち付け加えないと気が済まない丸山眞男批判がとにかくうざい。2018/02/20

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