出版社内容情報
史上最強の帝国モンゴルは、なぜ日本侵攻を企画したのか。時宗は当時のモンゴルの実態をどのようにとらえていたのか。史上最強の帝国に正面から戦いを挑んだ時宗の実像を彼の危機管理能力にスポットを当て探る。
内容説明
元寇=日本史上最大の困難を乗り切った、危機管理能力に長けた若き英雄とされる北条時宗。時宗は、なぜ当時最強の帝国とされた蒙古との戦いに正面から挑んだのか。日本・蒙古・南宋・高麗と、国際的環境の下で元寇を見直すとともに、鎌倉中・末期の社会変動に揺れるこの時代への幕府の対応の検証を通して、知られざる時宗の実像を明らかにする。
目次
プロローグ 大陸の情勢(掠奪と殺人)
第1章 変動の時代へ対応を迫られる幕府(鎌倉中・末期の社会変動;鎌倉幕政の転換)
第2章 時頼から時宗への権力移譲(時頼の偏愛;帝王学の履修 ほか)
第3章 蒙古の牒状と朝鮮半島情勢(蒙古の牒状;朝廷と幕府の暗闘 ほか)
第4章 蒙古来襲と幕府の対応(時宗の危機管理;文永の役 ほか)
感想・レビュー
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BIN
6
大河ドラマ「北条時宗」の時代考証担当がその人物像に迫る。出だしが蒙古の製鉄の骸炭法から入って製鉄技術に優れてたことや源頼朝が鎌倉を選んだ理由として稲村ヶ崎で良質の砂鉄が採取できていたからと変わった見方をしていて序盤は興味深かった。あとは淡々とよく時宗の解説でした。エピローグで時宗が元寇にうまく対処できなかった説があり、その根拠として現地に行かなかったからと言うならば、全体見なきゃいけないし、頼朝も鎌倉動かなかったことを上げている。でも鎌倉は遠すぎて対応が遅くなりすぎだから、判断として適切でないと私は思う。2018/07/05