内容説明
ギリシア悲劇の中で最高傑作といわれ、アリストテレースも激賞した『オイディプース王』。アポローンの神託の成就と、そこに描き出された人間存在の悲劇性を浮き彫りにしたこの『オイディプース王』を文学として捉えなおして徹底的に解読吟味する。悲劇としての巧みな劇構成、そして、今なお私たちに問いかけてやまない人間存在の本質―時空を越えて輝くギリシア悲劇の魅力を読みつくした意欲作。
目次
1 時代背景
2 謎とアイロニー
3 テイレシアースとクレオーン
4 イオカステーとアポローンの神託
5 イオカステーと「偶然」
6 第二合唱隊について
7 「真理」と「ダイモーン」
8 盲目のオイディプース
エピローグ 『コローノスのオイディプース』瞥見