内容説明
蘆花を終生苦しめた重圧の背後にあるもの、スコットの人類冒険史上最大の運命悲劇、江藤新平、川路聖謨、シェイクスピアの世界、―。人間への旺盛な興味と探究。不遇の運命とその背後の社会・国家への鋭い考察。英文学、社会評論、翻訳、評伝、社会運動など、その枠を超え、屹立する、比類なき知性と実行力をもつ著者の精神の動向を闊達自在に展開する「蘚峰と蘆花」「諷刺文学序説」「怒りの花束」ほか収録。
目次
歴史と運命(佐賀の乱と江藤新平;蘚峰と蘆花;川路聖謨のこと;新井白石のこと;世界最悪の旅―南極のスコット ほか)
文学と人間(諷刺文学序説;秋声の描く女;夏目漱石;シェイクスピア管見 ほか)
戦後に生きる(私の平和論―小泉氏の「平和論」に答える;言葉の魔術;役者としての政治家 ほか)
小さな自画像(肉親のある肖像画;大槻文彦と私の妻;土井晩翠と私 ほか)