内容説明
若い詩人達が新詩運動に熱中していた明治四十二年三月、近代詩を画す白秋『邪宗門』刊行。荷風『ふらんす物語』発禁。臨風、宙外ら反自然主義の文芸革新会発足。五月、ベンガル湾船中で二葉亭客死。七月、鴎外「ヰタ・セクスアリス」発表、月末に発禁。九月、露風、詩集『廃園』刊。十月、花袋は名作『田舎教師』刊行。鴎外等その立場を異とする人々の中からも自然主義文学の影響のもと香気溢れる文学作品続々誕生。
感想・レビュー
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rbyawa
1
j050、自然主義の隆盛の時代を別の人々から見た巻が続いていて、前に読んだ硯友社の時代がやたらと時代が前後した時と比べてきちんと視点が入れ替わっていてわかりやすい…地味に事情の時系列が入れ替わっていたりとなかなか凄まじい。自然主義撲滅運動って攻撃された側から見るともう少し広がりのある感じだったんだけど、雑誌は『新小説』のみ、作家は鏡花のみ、世に出ていない赤門(東京帝大)の三文文士だけかぁ。自然主義から見ると漱石、鴎外、上田敏ってなるのも無理もないのかな…。しかしこれだけ記述が食い違うとまとめるの大変だな。2019/05/22
iwasabi47
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日記や証言残っていると身も蓋もない。2020/12/05