内容説明
まばゆい光、絢爛たるレビュー、視覚にもたらされる快楽。20世紀初頭、博覧会の残照=「まなざし」が生んだ「宝塚」は、社会の感性を先取りする。モダニズム、ノスタルジア、ジェンダー―感性の変容から読む「宝塚」というシステム。
目次
プロローグ 「宝塚」で読む20世紀
第1章 宝塚歌劇誕生―博覧会の時代
第2章 「清く、正しく、美しく」の成立
第3章 モダニズムとノスタルジア
第4章 女を演じる女・男を演じる女―ジェンダーの物語
第5章 変容する物語―宝塚の戦後
エピローグ 宝塚というメディアの魅力
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Meroe
1
宝塚本2冊目。こちらはいちファンのというか、歴史的視点をもちつつ宝塚のスペクタクル内部からわき出てきたようなきらめく言葉が踊る。「舞台をてらし、床面に投影される照明、装置のなかにうめこまれた照明、あらゆる照明を反射しほとんどみずから発光しているかのようなスターを、観客はみつめる。みつめつづける観客を、舞台上の出演者もまたみつめている、そんな幻想が宝塚歌劇の舞台の向こう側とこちら側で共有される。(p.17)」消費社会のなかにいながら「清く正しく美しく」、新しくかつ懐かしいのが宝塚歌劇。2012/04/11
tkm66
0
著者は<ヅカ論>の第一人者、でしょうかね。2002/11/23
べ
0
p26〈少女〉領域 p37洋楽ー学校→①女優ではなく生徒②若い世代の観客を獲得 P42明治末大正期子ども観 p51宝塚にもとめられる虚構の力 p162戦時期に少女期・少女文化は無用→宝塚歌劇団 p174,175断髪 p241「なつかしい」=想像の共同体のあいさつ用語2020/11/03
sayanu
0
1999年刊行。戦前の成立から昭和初期までの展開に紙面が多く割かれており、大変参考になった。小林一三の影響の頬かに、戦争の大きな影響も描いていた。ジェンダー論については論じ足りないところである。 さらに「卒業制度によって刹那性を煽る」と言う言い方がとても引っかかった。 いずれにしても今年の「ポーの一族」がジェンダー論的に入れギュラー中のイレギュラーで、新たなチャンレンジであると言うことがよくわかった。もっと新しい著作も読みたい。何よりポーの一族をもう一度見たい・・・2018/02/05
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