内容説明
「共産主義時代にも盗みはあるでしょうか」「ないでしょう。社会主義時代にぜんぶ盗まれていますから」体制にとって「危険な世論」でありつづけたアネクドートは、口から口へと広まる。辛辣に権力を嗤いつづけたロシア人の過激な「笑い」を通して、ピョートル大帝期から現代にいたる、激動のロシア300年を読む。
目次
第1章 アネクドートの誕生(近代国家の祖=ピョートル大帝の笑い;機知に富んだエカテリーナ女帝;近代アネクドートの最盛期)
第2章 民衆たちのテーブル・トーク(市民たちが見たレーニンとスターリン;抑圧の絆がゆるんだとき―フルシチョフの時代;花開く「風刺」と「皮肉」―ブレジネフの時代)
第3章 混迷の時代を生きる(ユーモアのペレストロイカ;金持ちロシア人を嗤う)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
27
アネクドート。「共産主義時代にも盗みはあるでしょうか」「ないでしょう。社会主義時代にぜんぶ盗まれていますから」2017/03/02
遊未
7
一時期、4コマでこのような話があり、本当に笑えましたが、「アネクドート」という言葉は初めてです。時代的にはピョートル大帝時代から現在へと続いていますが、わかりやすいのはエカテリーナ二世の時代、共産主義時代でしょうか。ソ連時代に関してもう少し時代背景の説明があるとわかりやすくなりそうですが、それはまた他の本を読むべきなのでしょう。2017/04/03
Hiroshi Higashino
1
タイトル通りの内容とロシアの社会情勢についてふれている.ロシア(ソ連)近現代についてある程度その様子が垣間見える. ソ連は崩壊したけど、ロシアとしてある種連続性のある政治体制の国が残っているなと、ある意味で感心する.2019/12/14
トマシーナ
1
アネクドートという言葉がロシア語だったことに驚き。帝政から共産主義へと極端な変化を遂げた国だけに、辛辣な風刺の小咄の数には不足しない。スターリン時代以降のアネクドートが一番種類も豊富で面白かった。2019/03/22
ゆう
1
ソ連研究のため。アネクドートとは何か?日本人である私にはいまいち掴みきれないものであるとは思うが、ロシア文学の一部としてピョートル大帝時代から始まったものと、ソ連になってから陰で批判するために発展したという、二つの流れがあることがわかった。実例(?)も多く、解説も丁寧なため大体は楽しめた。2013/10/12