内容説明
政治の不正・異常・暴走をどのようにして発見し、それをいかにして正すべきか。医療における臨床診断の発想を政治理論に応用し、政治のあやまちを正す理論を確立するべく、古今東西の政治思想史を、大胆かつ精緻に読み直す。気鋭の政治学者による大いなる挑戦。
目次
第1章 政治危機の把握はなぜ難しいのか(ナチ・ドイツとフルトヴェングラー;大日本帝国と矢内原忠雄 ほか)
第2章 政治理論の医学的モデル(政治体の解剖学;四体液説―政治体の生理学 ほか)
第3章 政治診断学の構想(統治術から政治監視術へ;診断学の思考様式 ほか)
第4章 政治体の治療学へ(東西の治療メタファーの違いとは;西洋における治療メタファー ほか)
終章 現代政治を診断する視角(政治症候学としての暴政理論;政治診断学の懐胎)
著者等紹介
将基面貴巳[ショウギメンタカシ]
1967年横浜市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。英国シェフィールド大学歴史学博士課程修了(Ph.D.)。専攻は政治思想史。ケンブリッジ大学クレア・ホールのリサーチ・フェロー、英国学士院中世テキスト編集委員会専属研究員、ヘルシンキ大学歴史学科客員教授などを歴任。現在、ニュージーランドのオタゴ大学人文学部歴史学科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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