出版社内容情報
『ミシン』から6年、嶽本野ばらの新たな原標となる作品。
「私ね、後、一週間で死んじゃうの」。彼女は唐突に、まるでアルバイトが決まったかのようにさり気なく、話のついでといったふうに、何時もの口調で、何時もの笑顔で、僕にそう告げたのでした―。 彼女が履いていた靴下の話をしたことがきっかけで付き合うようになった高校2年生の僕達。平凡な毎日を送っていたある日、僕は彼女から唐突に告白される。余命一週間。動揺する僕に、残されたわずかな時間を自分らしく生きたいと、全てを受け容れた口調で彼女は言った。
『ミシン』収録の名作「世界の終わりという名の雑貨店」に、自ら捧げたオマージュ…嶽本野ばらの新たな原標となる作品である。
内容説明
私ね、後、一週間で死んじゃうの―。ごく自然な流れで惹かれ合い付き合いだした僕達に、突然訪れた悲しい出来事。誰もが逃れることのできない死を見つめて過ごした7日間。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。2000年、書き下ろし小説集『ミシン』(小学館)で作家デビュー。2003年、『エミリー』(集英社)、2004年『ロリヰタ。』(新潮社)が三島由紀夫賞候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルームーン
23
突然彼女の余命が残り1週間だと知らされた主人公が、さまざまな事と葛藤しながら、彼女の最期に寄り添う話。評価は高いようですが、人の「死」を扱ってる割に内容が薄いというか軽いというか、私としてはちょっとダメでした。2014/07/17
麻衣
10
鱗姫で爆笑するつもりが(わたしの中で鱗姫はギャグ漫画)図書館で貸出中のためこちらを再読。固有名詞を用いない「君」と「僕」の物語だからこそこの物語は主観的で愛おしい。2016/07/30
夜兎
9
再読。夜に読み始めたら、無性に泣きたく、大切な人に逢いたくなった。既読の野ばら小説の中ではかなり好きな一冊。2015/06/17
しば
9
ふと読みたくなってハードカバーで一気読み。アムールとプシュケ。キス。一週間を生きた君。イノセントワールドのお洋服はお嬢様のお洋服、過剰過ぎず可愛い。良く、わかる。2015/04/07
ウメ
7
ゴスロリの乙女に対して畏敬の念を抱くようになったのは野ばら作品に出会ってから。人にどう思われようとも自分が好きだから身にまとう強さは素敵だ。人生に帳尻合わせは無いのだから今を生きねば、と思わせてくれる。2014/07/09