出版社内容情報
二つの大戦、帝国の崩壊をへて、民族が自立ヘの道を歩み始めた20世紀。その負の遺産として民族紛争が持ち越され、飽食と飢餓の対立がより深まるであろう21世紀へむけて、異文化への理解と民族共生の可能性を探る。
20世紀は、二つの大戦、帝国の崩壊をへて、多くの民族が自立への道を歩み始めた時代といえる。しかし、各地で民族紛争が起こり、負の遺産として次世紀へ持ち越されようとしている。さらに、科学技術の急激な発達、地球環境や人口・食糧問題の深刻化により、21世紀には飽食と飢餓の対立がますます激しくなることが予測される。 はたして21世紀は民族共生の時代となり得るのか。進歩と発展の思想から、調和と協調の哲学への転換は可能なのか。そのひとつの視点として、日本文化のもつ柔軟性や多様性から、異なる文化や民族を理解する道筋を提示し、多文化・多文明の時代における民族の共生を展望する。
内容説明
対立と抗争の20世紀から、民族共生の21世紀をめざして。民族学の視点から、異文化理解への道筋を考える。
目次
序章 多文化の時代への展望―民族学からの発想
第1章 21世紀の新しい世界像の構築に向けて
第2章 日本文化の多重構造とその可能性
第3章 異なる文化の異なる論理
第4章 アイヌ民族とその文化を考える
第5章 多文化時代の博物館―いま、博物館に何が求められているか