新潮新書<br> 死ぬための教養

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新潮新書
死ぬための教養

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  • サイズ 新書判/ページ数 188p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106100048
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

内容説明

死の恐怖から逃れるための最大の処方箋だった宗教が力を失った今、「自分の死を平穏に受け入れる」ために必要なものは、「教養」だけである。単なる知識ではない、「死ぬための教養」こそが、「自己の終焉」を納得するための武器となるのだ。五度も死にかけた著者が、宇宙論から闘病記まで四十六冊を厳選!これが、「死」を自己のものとして受け入れる教養である。

目次

第1章 一九八七年、四十五歳。生まれて初めての吐血(血を吐いた程度じゃ死ねない(『ミニヤコンカ奇跡の生還』)
物としての自分か、あるいは生命としての自分か(『死をめぐる対話』) ほか)
第2章 一九九二年、五十歳。人生を一度チャラにする(全勝なんて力士には興味ない(『人間 この未知なるもの』)
芭蕉が最後にたどり着いたのは、「絶望」(『芭蕉の誘惑』) ほか)
第3章 一九四五年、三歳。初めて死にかけた(作家が書いたものはすべて、小説という形を借りた遺書である(『豊饒の海』)
川端康成の小説にせまりくる人間の死(『山の音』) ほか)
第4章 一九九八年、五十六歳。ふたたび激しく吐血(そうだ、生きていたいのだ(『大西洋漂流76日間』)
死ぬときは、みんな一人(『たった一人の生還』) ほか)
第5章 二〇〇一年、五十九歳。タクシーに乗って交通事故(人の一生も国の歴史も川の流れと同じ(『日本人の死生観』)
遺族には、長い悲しみが待っている(『死ぬ瞬間』) ほか)

著者等紹介

嵐山光三郎[アラシヤマコウザブロウ]
1942(昭和17)年静岡県生まれ。作家。国学院大学国文科卒、平凡社入社。三十八歳で雑誌『太陽』編集長を最後に退社、独立。著書に『素人庖丁記』(講談社エッセイ賞)、『芭蕉の誘惑』(JTB紀行文学大賞)など。最近は、日本の近代文学を新しい視点で捉えた作品を手掛けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

41
「人間は自分自身の死を経験することはできない」確かにそうだ。私は病人であるため死を意識することが多く、恐怖を抱いたことはほとんどないが、もし明確に死期を告げられたら動揺はするだろう。著者は何度か吐血し、すれすれの体験をすることで死を意識することとなる。病床でたくさんの本を読み、そこから何かを得ようとする。読書とはひとつの祈りのようなものだ。宗教めいたことではなく、しかし救いを求める行為だと思う。共感できる本だった。2014/07/20

金吾

23
教養というより本の抜粋です。死を意識したときに心ではなく頭で死を理解・受容・克服出来るよう近づくために参考になる部分があります。何冊か読んでみようと思う本がありましたので、古本屋にあれば購入していきます。2023/12/04

内緒です

10
図書館で借りた本。死を身近に感じた人間が読んだ本を紹介してる本、ってとこです。本にまでして読むものかは疑問。ブログとかで十分な内容でした。2013/09/25

i-miya

7
2005.11.14 P032 入院中、株で30百万円もうけた P035 タバコをすわせてくれた看護婦とバーで再会 P036 高見順『死の淵より』(詩集)(講談社文芸文庫) 父、福井県知事、娘、高見恭子  転向、家庭崩壊で虚無のどん底 平凡社「太陽」編集長 ノーマン・カズンズ『笑いと治癒力』(岩波現代文庫) P043 養老猛司『唯脳力』(ちくま学芸文庫) 2005.11.15 岸根卓郎『宇宙の意思』(東洋経済新報) ビートたけし『死ぬための生き方』(新潮文庫)  2005/11/15

だい

6
人生の折り返しを過ぎた頃から、自分の死について考えてきた私。暗い話ではない。奇跡的にこの世に生を受けた以上、避けられない出来事だから。著者は、自分の吐血をきっかけに、読んだ本の中から死と向き合った者たちの「死の哲学」を解く。穏やかな語り口ながら、それぞれの壮絶な心の葛藤が胸に迫る。2017/09/26

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