感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大貝杏子
3
最も八犬伝研究・八犬伝もの作品に影響を与えた研究書と云っても過言ではないと思う。曼荼羅のように展開する八犬伝の世界に圧倒される。本書を小学生の頃に読み、進路を決めたものです。
hisayparrish
1
曲亭馬琴の南総里見八犬伝の謎をあらゆる角度から解明する素晴らしい研究書だ。高田衛氏の博識と情熱に圧倒される。 数多の古今東西の類書、評論、読本を渉猟し、滝沢家の系図、江戸時代の文化環境等を総合し、一つ一つ解き明かしている。知的興奮を抑えきれず、夢中になって読んだ。北村薫氏が円紫さんシリーズの中か何かで賞賛していたので探したが、完本の方は手に入らず、新書番で読んだ。改めて完本でも読んでみたい。2022/08/31
紅林 健志
1
当時、評価の低かった『八犬伝』を幻想文学（本文のことばでいえば「伝奇ロマン」）として再評価した名著。 後に『完本八犬伝の世界』という増補版がでているが、読み比べてみると著者の立場はかなりちがう。『完本』は「幻想文学」という評価軸はあまり重要視していないし、改めて馬琴を再評価する必要もないため。 『完本』がある以上、こっちで読む人はいないかもしれないが、中公新書版も論旨が明解で捨てがたい。 あと「丶大」を「ゝ大」と表記するのは、問題あると思う。2002/12/22
金吾
1
八犬伝の背景がよくわかる一冊でした。特に水滸伝との関連は面白かったです。2019/12/18
