中公新書
父親力―母子密着型子育てからの脱出

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 170p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121016300
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C1237

内容説明

子どもが成長し、社会に出て自分というものを表現できるようになるには、どういう経験が必要なのだろうか。自分たちの頃と比べ、「子ども」が変わったと途方に暮れる親も多い。けれどもちろん、そう嘆く親自身も変わっているのだ。本書では、現在の子育てに欠けているものを明らかにし、特に、子どもが他者、ひいては社会と向き合う際の、父親の役割に注目する。父だけが子にできることを、見直してみる。

目次

第1章 記憶の起源―「はじめての記憶」から子どもの発達を考える
第2章 「死を看取る」ことの意義
第3章 自然・闇・野性を認識するということ
第4章 やせほそる父性―「もうひとりの母親」になっていないか
第5章 母子密着型育児の弊害
第6章 現代における父親の力とは

著者等紹介

正高信男[マサタカノブオ]
1954年(昭和29年)、大阪に生まれる。1978年、大阪大学人間科学部卒業。83年、同大学院人間科学研究科博士課程修了。学術博士。アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員、ドイツ・マックスプランク精神医学研究所研究員、京都大学霊長類研究所助手、東京大学理学部人類学教室助手を経て、現在、京都大学霊長類研究所助教授。専攻は比較行動学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ビイーン

23
本書を読んでも具体的な方法は分からなかった。だからどうすればいいのさ!そうか、自分で考えろ、ということかも。2017/06/23

Kentaro

17
そもそも日本では、子供は伝統的に血の繋がった家族との密な交流よりも、流動が激しい地縁共同体の中、比較的大勢の大人との関わりのなかで社会化を遂げた。 母性が子供にとって安心して寛げる居場所を提供する役目を果たすのに対し、父性は、居場所の外へ連れ出す仕事を果たせなければならないが、その役目が果たせていない場合が多い。 父親とのコミュニケーションがうまくない子供は、父親から発達に必要なものを吸収する機会を失う。 いくら生まれ育った環境に不満なく心地よくとも、いつか巣立たねば一人前とは見なされない。2019/01/12

makimakimasa

8
転勤した上司が置いていった本。あと1ヶ月半で父親になるので読んでみた。子供の原体験や社会的発達を人の死や野性に絡めた論考がまずあり、父の役割に関する話は3章途中から。声の高さや抑揚により男女で子供に対するコミュニケーション機能が異なる。共感と安心感の母性と比べて、周囲の危険に注意を向けさせつつ、外界に踏み出し社会性と自己認知(他者の目という意識)の獲得を促すのは父性こそ重要という。家庭に2人の母親は要らないと(子持ちレズカップルへの言及や配慮は特に無い)。闇雲なストレス回避は挫折と成長の機会を奪い逆効果。2020/05/11

Ichiro Toda

4
随分と昔の新書だが、現在にも通じるものがあると思う。なぜ母親中心に子育てがなりやすいか、そして父親の影響は子育てにどのように出てくるかなどデータに基づいて述べられているので説得力がある。ただデータから出て来る結論には頭をひねるようなものもあり、さらに言えばデータ自体も少し雑にできているのでそれだけではなんとも言えないのでないかと思う部分もあった。しかし全体的に論理的な語り口となっており、何回も読無価値がある気がする。父親の役割はその家によるのではないかと思っていたがある程度の定型があることを知った。2014/05/07

takao

3
ふむ2023/02/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/34056
  • ご注意事項

最近チェックした商品