出版社内容情報
農夫・旅行家(マルコ・ポーロ)・尼僧・主婦・商人・織元等6人の平凡な個人をあげて中世社会の諸々相を描破し,普遍的事実を具体的に記述し,暗黒時代といわれる西洋中世の生きた姿を語る異色の史書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鏡裕之
1
有名な事件や有名な人たちを通して歴史を描くのではく、そうではない人たちを通して歴史を、過去の時代を浮き彫りにするという一冊。農夫、尼僧院長、パリの主婦、商人、織元――。マルコ・ポーロが入っているのは若干違う人に思えるが、それでもマルコの事情は面白い。今は中古でしか手に入らないけど、読む価値がある。中世ヨーロッパ風の物語を書こうとする人間には、是非手に取ってほしいと思える一冊。2018/11/21
何だか
1
中世の人々も案外普通の暮らしをしてたんだなあと思った。圧政と宗教的抑圧の下での暗黒の生活ってわけでもないようだ。人間の本性は1000年程度では変わらないということだろうか。ただ自分にヨーロッパ史の知識が欠けてるせいで十分に楽しめなかった感はある。2013/07/02
もみち
0
【大学】歴史書としてではなく、歴史小説のような全六章。歴史の本を読むといつも眠くなってしまうが、これは章ごとに主人公がいる感じ。その内容がノンフィクションであるから、余計に興味深い一冊です。2016/01/12
aya
0
大変興味深く(時には腹を抱えて)読みました。中世の人間くさい生活者たちが活写されています。2018/05/14