出版社内容情報
ベルリンの壁崩壊後の世界を学問的にどう捉えたらいいか,という問題関心を契機として,本書は,グローバリゼーションと呼ばれる状況について経済史研究者の立場から分析を加えるものである.国民経済やエリートの,歴史のある時点における「選択」や「選択肢」の観点を重視し,グローバル化が進行して当面の政策課題に対してひとつの国民,あるいは国民経済としてどう対応するかについて有意義な示唆を与える.
目次
1章 グローバリゼーションの歴史的文脈
2章 ポンドの衰退とイギリス国民経済の選択―スターリング地域成立(1939)からEEC加盟(1973)まで
3章 戦後再建期の国際決済銀行―ペール・ヤコブソンの軌跡から
4章 ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体による市場統合、1953‐1954年―鉄鋼市況の停滞とフランス鉄鋼業界の対応
5章 1950年代西ドイツの貿易構造とEECの選択
6章 グローバリゼーションの衝撃とドイツにおける選択肢
7章 「EUヨーロッパ」の拡大―国家形成か開発協力か
8章 独立後タンザニア経済と構造調整政策
著者等紹介
秋元英一[アキモトエイイチ]
1943年東京都に生れる。1966年東京大学経済学部卒業。1972年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。1972年関東学院大学専任講師。1979年千葉大学助教授。現在千葉大学法経学部教授、経済学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。