出版社内容情報
韓国の学者はいう。「日本人は祖国を追われた恨みを持つ韓民族の子孫だ。だから韓国が嫌いなのだ」─果して本当にそうなのだろうか?
内容説明
日本の古代史を、韓国人として外側からみるのではなく、日本人として内側から見るのでもなく、外から内に入った渡来人=さすらい人としての目で描くことができないだろうか―それが本書のモチーフです。
目次
序章 さすらい人にとっての日本
第1章 飛鳥―古代渡来人たちの残像を訪ねて
第2章 北九州―ヒメ神信仰の足跡を訪ねて
第3章 出雲―スサノオ信仰の故郷を訪ねて
第4章 相模・武蔵―高麗若光の伝承を訪ねて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
51
国は一つの生命体に譬えられます。パスポートは人が入国するのに害悪となるものを持ち込まないことの誓約書です。人も移転先で同化するならば客人として歓迎です。 古来、日本列島は文明を貪欲に受け入れる好奇心で満ちており、遣唐使後や江戸の鎖国期でさえその心は旺盛でした。 「攘夷」は幕末に多用された言葉ですが、戦争に負けた長州や薩摩はさっさと方向転換しました。 何でも受け入れて「習合」させてしまう柔軟性は主体性がないようにも見えますが、それはどんな破滅的な状況になっても生き延びる強さでもあると思います。 2020/06/07
James Hayashi
32
山本七平賞受賞。日韓の古代の伝承などを引き合い両国の互換性の様なものを見て取る。日韓の比較対照がテーマでなく、あくまでも著者が出雲、宇佐、北九州などのフィールドワークを通し、彼女の思うところを述べているのであり、学術的には価値がないかもしれない。だが日本の文化ベースは韓国からの渡来人が作ったなどの独善的な考えを否定され、日本の古代に、渡来人が馳せた想いを寄せている事は興味深い。タイトルに違和感があるが読んでよかった。(日本人に対する韓国の優位性が韓国人のアイデンティティとなっているのは儒教によるらしい)2018/02/18
ヘビメタ小僧
2
在日のアイデンティティーの獲得が等身大で語られて、とても好感を持つ2008/03/20
Lock White
0
韓国人分析の唯一のパイオニア。氏の驚くべき元母国解析分析これでもかというほど氏は母国をみじん切りにした。あの氏の名著スカートの風 それ以来私は氏の著作を片っ端から読んだ。氏は何故かテレビには登場しない。殆どユーチューブまたは書いた本のみである。それでも私は氏の文体に夢中であった。氏の元母国に対する批判は多分祖国に対する愛情だと思います。彼女は今となってはある意味伝説となった。誰も氏の著作を超えてはいない。