文春新書<br> 都市の魅力学

文春新書
都市の魅力学

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166601608
  • NDC分類 332.1
  • Cコード C0295

内容説明

東京は地方の富を収奪することで今日の繁栄を手にしたのではない。その歴史を通じて魅力的な都市になるための努力をしてきたのだ。そして、戦前は東京以外の都市も努力を惜しまず、それぞれの特色ある繁栄を謳歌していた。ところが戦後になって、中央が集めた税を地方に分配するシステムが完成すると、努力は忘れられ、地方都市は魅力を失い「ミニ東京」になりはてた。「地方の時代」を本当に望むのならば、システムを根本から変革しなければならない。

目次

対抗する力による地方分散
創造し模倣される大阪
伝統を生かしきれない京都
豊かさに安住する名古屋
海に栄えた神戸と横浜
移転都市の性格が強い札幌、仙台、広島、福岡
富を創り富に逃避される工業都市
東京とは何か
なぜ「都市の物語」を失ったのか
シャウプ財政の克服
公共資本と都市間競争
日本の都市は美しくできる
都市の物語から何を学べるか

著者等紹介

原田泰[ハラダユタカ]
1950年東京生まれ。東大農学部卒業後、経済企画庁入庁。ハワイ大学、イリノイ大学に留学。経済企画庁国民生活局国民生活調査課長、調査局海外調査課長などを経て現在、財務省財務総合政策研究所次長。主著に『狂騒と萎縮の経済学』『1970年体制の終焉』(東洋経済新報社)『日本の失われた十年』(日本経済新聞社)などがある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

249
随分と昔の本だが、今でも通用する内容が多かった。本書は日本の各都市のそれぞれの問題点を挙げてよりよい都市を目指そうとしていて面白く読めた。2016/06/12

夕刻

4
都市の魅力とは何か。都市の発展と衰退を歴史を辿って説明し、あるべき都市論を語る。2010/09/03

苦虫

3
江戸~近現代にかけて各都市の発展の歴史。後半は都市で集めて地方に分配するシャウプ税制いくない!都市間の競争ダイジ!みたいな内容。あまり面白くはなかった。「1つの工場で技術水準の上で注文主の要求に応じきれない場合には、隣の工場に持ち込むということが行われた。そこで、様々な注文に対して、一工場の技術だけではなく、その工場が位置する地域一帯の工場群の総合的な技術力で対応するということになった。〜中でももっとも発展を見たのは東京の大田区と川崎市、横浜市を中心とする地域である。」2014/03/27

坂津

2
主要都市(東京、大阪、名古屋などの大都市から札幌、福岡、広島、仙台などの地方中枢都市まで)の発展形態について詳述する章は非常に興味深い。だが、それらの事実を元に築き上げられた思想がイマイチ映えない。それは単純に都市の魅力、そもそも「魅力」とは何なのかという定義付けがなされていないからだろう。「おわりに」でエッセイの集大成だと書いてあったが、確かにエッセイとしては硬派でも学術的に参考になるかといえばそこまでではない、微妙な位置付けの本。地方が自主財源を確保することが真の地方分権だという主張は伝わってきた。2015/10/19

真夏みのり

2
前半は主に地理と歴史のお勉強。後半から「都市の魅力」に迫る。 「(…)東京はすべてを持っている。しかし、東京の魅力はすべてを持っているそれ自体ではない。すべてを持っていることが生み出すダイナミズムが、都市の本当の魅力をつくり出すのだ」(119頁)2012/02/29

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