文春新書
美男の立身、ブ男の逆襲

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166604401
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0295

内容説明

美男とブ男はどちらがトクか?男の出世に容貌は関係あるのか?女にとって男の美醜とは?これらの謎を解くべく、日本の古典に登場する男たちを並べると、一本の道筋が見えてくる…。女装して敵を討ったヤマトタケル、「美男で歌がうまいが無学」な在原業平、絶世の美男の凋落をさらす光源氏、出っ歯の小男だった源義経、老化を乗り越えた世阿弥、小男パワーで全国制覇した豊臣秀吉など、日本史のヒーローたちの華麗なる闘いをご堪能あれ。

目次

第1章 ヒーローは「女の力」を借りる美男の時代(男の美貌は武器になる神話の中の美男たち―『古事記』『日本書紀』;ブ男を嗤っても、ブスには触れない―『万葉集』)
第2章 ブ男受難の時代(仏教思想による美醜の序列普及の時代)(空海はブ男だった?―『苅萱』『三教指帰』『日本霊異記』;インテリ菅原道真の美男観―『十訓抄』『叙意一百韻』『日本三代実録』『平中物語』 ほか)
第3章 能あるブ男たちの躍進時代(小男のブ男化時代)(美男の限界とブ男の勝利を描いた『源氏物語』―『源氏物語』;大江匡衡像の変遷「もてない男」から「できる男」へ―『今鏡』『今昔物語集』『枕草子』『紫式部日記』『宇治拾遺物語』 ほか)
第4章 美男受難の時代(戦争に巻きこまれた「光源氏」―『今昔物語集』『平家物語』;義経はいかにして美少年になりしか―『平家物語』『義経記』 ほか)
第5章 美男悪役化の時代(罪なくして虐待される美少年の時代江戸前期(一六〇〇年代)―『大日本国法華経験記』『今昔物語集』『道成寺縁起』『賢学草子』『信徳丸』『曽呂利物語』『好色一代男』
罪あって虐待される美男の時代江戸中期(一七〇〇年代)―『江戸生艶気樺焼』『傾城買二筋道』『浮世風呂』 ほか)

著者等紹介

大塚ひかり[オオツカヒカリ]
1961年神奈川県生まれ。早稲田大学で日本史学を専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ユウユウ

30
美男が描かれる古典。ブ男が活躍する古典。でもまぁ、見るなら、どうせなら美男がいいかな。「美=善、醜=悪」は仏教的、「見た目ではなく中身が大事」は儒教的というのが印象的だった(どこに書いてあるか見失いましたが…。)。2019/06/02

なお

16
平安時代のブ男は物凄く差別化されて、読んでいて痛々しい(TT)それが、段々と武士が権力を持ち始めると美男は弱々しくなり、江戸時代では悪役になる。時代の移り変わりが改めて面白かった。2018/05/20

遊々亭おさる

14
男は顔じゃないよハートさ♪は建前の世界。小便くさいジャニーズなんてどこがいいんだかとのたまうのは完全な僻み根性。女性の美醜に比べて、あまり語られることのない男の容姿のあれやこれやを神代の時代から江戸後期までの日本文学を通して語られる美醜の日本史。異形の者に対しておおらかだった記・紀神話の時代から醜なるものは悪といった価値観だった平安時代。そして時代の変革が望まれ魅力的な美男の悪人像が描き出された江戸後期。宗教や時代の閉塞感などが美醜の価値を変えていく。そうか、四谷怪談はロマンティックな恋物語だったのか。2014/12/25

こぽぞう☆

11
神話時代から江戸時代まで、男の美醜を述べた本。時代によって美の基準は違うし、美しい方が得する時代、背の高さがより選ばれる時代。いろいろ。文献の孫引きが多いのが気になった。2016/01/18

れじーな

5
面白かったです。女性に比べたら明らかに見落とされてきた男性の容姿についての変遷が、とても興味深かったです。美しさがもてはやされる時代は意外と短く、男の美しさも受難の繰り返しだったのには驚きました。美女も美男も、嫉妬故の苦境はあっても、全体で見たら勝ち組だと思っていたので…。美男と美少年の変遷に、男でありながら男の欲に晒されて来た歴史を思い、そういえば多くの文学作品でも美女や美少女が男を惑わせても、女を狂わせることは無いのに、美男にはそれがあるのだと、妙に納得してしまいました。2010/04/09

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