出版社内容情報
本書は、権力と国家をめぐる政治的世界の仕組みと一般的な運動法則を総括的に提示するものである。上下巻合せた構成は、第一部権力論、第二部国家論、第三部特殊的国家論となる。上巻はこのうち国家論の半ば(第五篇国家権力の形式制度的構成)までを収める。本書は、10年のブランクの後に、著者の40年に亘る研鑚の全てを投入した書き下し作品である (但し一割弱の旧稿を含む)。古代から現代までの国家の動態を視野に入れて論究する、近年では絶えて久しい本格的で雄大な理論書。下巻は数ヵ月後に刊行(全三巻の予定であるが二巻以降は未定)。
同著者 『マルクス主義国家論』(三一書房)、『国家論をめぐる論戦』、『ヴェーバーと丸山政治学』(小社)等。
序論 <政治>とは何か、についての予備的考察
総説 権力とは何か?[権力論]
第一篇 権力の本質
1 権力の本質
2 補論──社会的な規範について
第二篇 組織的権力の構成と形態
3 権力主体としての<組織>
4 権力形態
第三篇 権力と暴力(Gewalt)
5 外的諸関係のなかの組織的権力
──組織としての Gewalt の成立
第四篇 権力主体をめぐる観念的諸契機
6 <観念的利害>とは何か?
7 思想的・イデオロギー的支配とは何か?
8 権力存立の観念的な根拠と手段
第五篇 特殊的権力と権力学説
9 特殊的権力と<権威>
10 古典権力学説の解体
第六篇 補論──政治的世界の枠組みと主体に関わる諸法則
11 政治の経験法則の解体
本論 国家とは何か?[一般的国家論]
第一篇 前提と方法
1 前提としての社会構成理論
2 方法としての<世界史>
第二篇 国家論総説
3 国家と国家権力
4 国家・国家権力の歴史的起源について
第三篇 国家権力と社会
5 近代社会の歴史的形成──国家権力と近代社会(その1)
6 近代社会と国家権力の必然──国家権力と近代社会(その2)
第四篇 国家権力の実質的構成
7 国家的諸活動の展開[総説]
8 国家的諸活動の展開[各論・統治]
9 国家的諸活動の展開[各論・行政]
10 <近代>以前の国家的諸活動
11 国家権力の実質的構成の総括と補足
12 補論──<統治>・<行政>をめぐる諸学説
第五篇 国家権力の形式制度的構成
13 組織原理としての<三権分立制>
14 補論──三権分立論の検討
15 政治形態をめぐる諸学説
16 政治形態の自由選択と法則的規定性
内容説明
権力と国家を主体とした政治的世界の仕組みと一般的な運動法則を提示する。古代から現代に至る国家の歴史的動態を大きく捉え、厳密に論究する雄渾な理論書。
目次
序論 “政治”とは何か、についての予備的考察
総説 権力とは何か?―権力論(権力の本質;組織的権力の構成と形態;権力と暴力(Gewalt)
権力主体をめぐる観念的諸契機 ほか)
本論 国家とは何か?―一般的国家論(前提と方法;国家論総説;国家権力と社会;国家権力の実質的構成 ほか)
著者等紹介
滝村隆一[タキムラリュウイチ]
1944年倉敷市に生まれる。1970年法政大学社会学部卒。専攻、政治理論
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