内容説明
生きているのは億劫だが、さりとて死ぬのもひと苦労。老作家二人の対談。
目次
もうね、さっきから文に怒られてね、まだか、まだかって訊くもんだから
いまから思えば安岡と俺は不思議な縁だね
吉行に電話してやりたいな、あいつだったら何て言うだろうって思うんだ
みんな貧乏だったな。いまになると、それがイヤに懐かしい気がするよ
レイテ島へ連れて行かれた連中のことを考えるとね、何かヤマしいような思いもある
志賀さんの偉さをいまならどう見るかね
病気に関してだけはデパート並みだ。いつも体のどこかに不発弾を抱えているような気分ね
安岡が飼ってたコンタ、あれは天下の名犬だったねえ
せいぜい息子、娘を褒めてだね、面倒みてもらおうと思ってるのよ
日本画の本当の力量が見直されればいいなと思ったよ〔ほか〕
著者等紹介
近藤啓太郎[コンドウケイタロウ]
1920年、三重県に生まれる。青南小学校、市立一中(現・都立九段高校)、東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画科卒業。千葉県鴨川に移り住み鴨川中学校で美術教師として勤務するかたわら執筆活動を始める。1956年、『海人舟』で第三十五回芥川賞受賞。「第三の新人」の一人と称される
安岡章太郎[ヤスオカショウタロウ]
1920年、高知県に生まれる。青南小学校、市立一中(現・都立九段高校)、慶応義塾大学文学部卒業。1944年、現役兵として徴兵され中国に送られるが、胸部疾患で終戦間際に現役を免除される。その後八年間、脊椎カリエスを患う。1953年、『悪い仲間』『陰気な愉しみ』の二作で第二十九回芥川賞を受賞。「第三の新人」の一人と称される
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