内容説明
本書はアフリカン・アメリカンの音楽史を中心に扱うものであるが、それとともに黒人制度史、米国史、さらには大西洋奴隷貿易とともに始まった近代ヨーロッパによる世界支配の歴史的実相の解説を試みたものである。人間の営みの、もっとも美しいものの一つである音楽、マイルス・デイヴィスが言うところの、「オレ達黒人の祖先がアフリカから持ってきて、この国で変化、発展させた音楽」であるジャズの歴史は、あまりに罪深い人類の歴史であり、またその悲運の歴史に打ち勝ったアフリカン・アメリカンの誇り高き歴史でもある。
目次
序
第1章 前ジャズ期音楽―奴隷制下のアフリカン・アメリカン文化
第2章 ジャズを生んだ人びと
第3章 ジャズの誕生―ニューオーリンズ・ジャズ(一九〇〇~一九二〇年代)
第4章 シカゴの時代―ジャズ・エイジ二〇年代
第5章 デューク・エリントンとその時代―一九二〇‐三〇年代、ニューヨークとカンザス・シティのジャズ
第6章 ビ・バップ―一九四〇年代のジャズ
第7章 マイルス・デイヴィスとその時代―モダン・ジャズ概論
終章 黒人とアメリカの未来
著者等紹介
丸山繁雄[マルヤマシゲオ]
1951年新潟県高田市生まれ。早稲田大学第一文学部在籍中より、早大モダンジャズ研究会にて、ヴォーカル・インプロビゼーションを指向。作編曲にも長け、単なるヴォーカリストの枠にとどまらない音楽活動を30年継続。オーケストラ・リーダーとして21人編成の「丸山繁雄酔狂座オーケストラ」を率いる活動から、ドラム+ヴォーカルのデュオ演奏まで、幅広い編成での実験的音楽活動を遂行する。「丸山繁雄ジャズ・ボーカル研究室」を25年主宰。多くの後進を育成している。1987年より、日本大学芸術学部音楽学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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