Century Books 人と思想 184
アッシジのフランチェスコ

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  • サイズ B40判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784389411848
  • NDC分類 198.223
  • Cコード C1316

内容説明

一三世紀に生きたフランチェスコは、キリスト教とイスラム教の二極対立の中で、他宗教との対話を試み、対立する陣営に赴いて平和の実現に尽力した。フランチェスコの時代からすでに八〇〇年が経過しているが、かれの自然との一体感、人間の尊厳と自然への敬意、対話の実現と平和への熱望は、時代を超えて、今もなお生き続け、現代人に雄弁に語りかけている。

目次

1 恵まれた環境の中から(吟遊詩人と騎士道;心の旅路 ほか)
2 修道会設立と新しい生き方(道を求めて;世界史的な出会い ほか)
3 修道会の発展(イスラムとの出会い;生活の規範 ほか)
4 フランチェスコの人間性(クリスマスと瞑想;時空を越えて ほか)
5 晩年のフランチェスコ(「太陽の賛歌」;ウンブリアの落日 ほか)

著者等紹介

川下勝[カワシモマサル]
1939(昭和14)年、長崎県に生まれる。上智大学大学院神学研究科修了。神学修士。ドイツのヴュルツブルク大学に学び、教会史を研究。コンベンツアル聖フランシスコ修道会アジア・オーストラリア担当総評議員
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゃんたか

9
平和は反抗に勝る。…約束された富と名誉を全て投げ出し、家族と断絶。教会修築と修道生活に全てを捧げた。小鳥に説教し、狼を飼い慣らし、十字軍に紛れこんではイスラム軍のスルタンに平和を訴え友情を結ぶ。…現代の環境保全と宗教間対話を先取りしていた聖フランチェスコ。晩年は失明し、衰弱と瞑想の日々。弟子による修道会の組織化を憂いつつ残した「太陽の讃歌」は失意の時こそ輝いた。貧しい心に真の自由はあった。「私の主よ、あなたは称えられますように。あなたの愛のゆえに赦し、病と苦難を耐え忍ぶ人々によって。」2015/09/22

富士さん

1
聖フランチェスコの事は話には聞いていましたが、村上陽一郎さんの本を読んで、非キリスト教的聖人ということで興味を持ち読んでみました。一読すると、新教皇がこの人から名を取った、これまでこの人の名を冠した教皇がいなかったというのは分かるような気がしました。どちらかというとブッダや老子に近しいような東洋的な思想を感じます。著者はカトリックの方のようで、ちょっと聖人の人格を持ち上げすぎているかな、という感じがしました。紹介されているエピソードを見る限りこの方はもうちょっと人間的な弱みのある方なのではないでしょうか。2013/09/09

カバラン

0
県立図書館にあったので読了。2016年9月18日から20日にかけて、世界の主要教団の宗教者たちが一堂に会し、平和への祈りを捧げる「世界宗教者平和の祈りの集い」が、イタリア中部のアッシジで開催された。時を超える、フランチェスコ。2017/02/22

Davis MickelsonⅢ世

0
アッシジのフランチェスコの生涯。神学的な難しい話は極力省かれているので私のような素人にも非常に読みやすかった。商人階級の出身で元々は騎士になって成り上りたかったというフランチェスコは、キリストを忠義の対象とし、剣ではなく自らの言葉と振る舞いで「戦う」騎士となったのであろうと感じた。また、形は少しく異なれど忠義と清廉とを旨とした「道」があり自然と調和する感性を持った日本文化を、もし彼が知ったならばきっと気に入ってくれたであろうなと。2024/02/24

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