内容説明
中国四川省・三星堆村。その地下には古代史を書き替えるほどの秘密が眠っていた…。三星堆から出土した青銅仮面の謎を追ううちに、古代の奇書『山海経』に隠された史実が明らかになる。
目次
第1章 奇書『山海経』
第2章 三星堆文明の素描
第3章 不思議な縦目青銅仮面
第4章 よみがえる崑崙
第5章 神樹伝説の源流
第6章 西王母と三星堆蜀王国
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大臣ぐサン
3
中国一の希書『山海経』を基に三星堆文明を紐解く。中国に於いては王朝が変わるたびに前の王朝の文化を破壊した歴史があるため、神話はほぼ遺されていない。しかし、あまりに荒唐無稽がために破壊を免れていた『山海経』を紐解けば失われた神話を再生する糸口が得られるのではないか。これは非常に斬新な視点だ。2019/08/18
ソルト佐藤
3
いわゆる中原とは違う文明。そこに興味をもって読んでみる。山海経のような妖怪なども好きというのもあって。写真や図に現れる遺跡のかずかずは、とても面白くて興味ぶかい。とくに縦目の仮面。古代人の想像力なのか、それとも、実際に目が飛びて風の人がいたのか。妄想がつきない。ただ、山海経に史実を見る部分は、ちょっと、作者の想定や、強引な論法が多いように見えた。文献も、遺跡も少ないので、どうしても想像力で補わなければいけない部分もありはしますが。2016/06/26
とったん
3
前半の「縦目」や「祝融」などの推定については文献からの想像のようで懐疑的に読んでいたが、最後の崑崙=古代蜀国、西王母=蜀の女王という部分は物証が多く、とても納得できた。同時に前半部分も信じられる気がしてしまうのは、本書の構成の妙による。神話が歴史に変わる、トロイ遺跡発見に負けない大発見である。蜀を独自の文明と見ることについても賛成できる。2012/11/03
霹靂火 雷公
2
『山海経』和訳の足掛かりとして読了。『3x3EYES』で崑崙に興味を持った世代だが、実際のモデルにぐっと近付けた気がして嬉しい。考古学的史料と文献資料を往き来しながら、ダイナミックに謎を解く意欲作。2015/04/26
kasuga104
1
「三星堆」は史実としての『山海経』 を推理する古代中国の人類歴史学。 四川省の高山に住むシャーマニズム、即融の民族であろう。面白かった。2013/02/15