内容説明
観光産業と巨大メディアが手を結んだとき、ハワイの〈楽園〉イメージは形成された。クックのハワイ発見後、200年にわたるイメージの文化史。
目次
はじめに 楽園幻想と先住民
第1章 幻想の成立―楽園の原イメージ
第2章 楽園の造成―リゾート文明の興亡
第3章 メディア産業と楽園幻想―ハリウッドの南洋映画からハワイアン・ルネッサンスへ
第4章 日本人のハワイ・イメージ―イメージの植民地と太平洋先住民
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★★★★★
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ハワイのイメージをめぐる論考。「楽園」としてのハワイは、航海者やアメリカ人、日本人観光者などによって一方的に押し付けられたものである。イメージは細部を微妙に変化させながらも常にあるべきハワイを強制し、そのイメージに合うように本来のハワイの生活を破壊してきた。ハワイと観光という身近なテーマをもとに、植民地主義的まなざしの傲慢さを厳しく告発する議論です。イメージ形成に話を絞っているため、ハワイ人が受動的に描かれすぎてるような気はします。2011/12/06
湖上の煙
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再読。アメリカや日本などの先進国の思惑によって、いかにハワイのイメージが都合のいいようにつくられていったかを説き明かす好著だが、1992年発行なので若干内容が古くなっている。その後の日本でのフラ・ブームなどは著者はどのように見てるのだろうか。とはいえ、ハワイの開発史・メディアによるイメージの変遷・ハワイ文化のルネッサンス運動などについて、コンパクトにまとめられている。我々はメディアによっていろいろな情報を得ているが、メディアにのっかる以上多少のバイアスはかかってしまうものなのだと痛感させられる。2015/05/26
Lac
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〇2014/04/12