内容説明
ヨーロッパ哲学の絶対的な「真理」主義の起源をなす人物として、ポストモダン思想家から最悪の評価を与えられている人、プラトン。しかしプラトンこそ実は、異なった人間どうしが言葉を通して共通の理解や共感を見出しうる可能性を求めた、「普遍性」の哲学者であった。また同時に、哲学の本質的なテーマは、人間の生の原理にかかわることを明確に提示した哲学者であった。プラトン評価を逆転させながら、著者自らの哲学観を明快に開陳する、目から鱗の一冊。
目次
序 反=プラトンと現代
第1章 哲学のはじまり
第2章 ソクラテスからプラトンへ
第3章 イデア
第4章 エロス、美、恋愛
第5章 政治と哲学の理想