ちくま新書<br> “私”の愛国心

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ちくま新書
“私”の愛国心

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061850
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

内容説明

この数年、“ナショナリズム”をめぐる議論がかまびすしい。冷戦に代わる国際秩序が定まっていない上に、極東アジアでは「北朝鮮」という冷戦の産物が大きな比重を占めているからである。しかも、バブルの崩壊とグローバリゼーションに伴う「成果主義」や「市場原理主義」の浸潤によって、セーフティ・ネットが整備されないまま勝ち組・負け組への階層化が進み、社会の安定感は急速に失われつつある。国内と国外の要因が複雑に絡み合いながら過熱化する一方の言説を丁寧に解きほぐし、「愛国心」の行方について考える。

目次

第1章 「日本は変わった」のか
第2章 自分以外はみんな「バカ」
第3章 この国に生まれたるの不幸
第4章 「帝国」の病理
第5章 二つの「病」と日米関係
第6章 治癒と愛国心

著者等紹介

香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。神戸芸術工科大学助教授を経て、現在は帝塚山学院大学教授。豊富な臨床経験を生かして、不透明さを増す現代人の心の問題を中心に、様々なメディアで発言を続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

44
【図書館】「読み」が浅いというのが〈私の〉第一印象。(笑)香山が丸山の言葉「『ものの見方』の問題」を引用しているが、その香山自身の「ものの見方」、「解釈」、「読み」、「分析」が、僕には何とも物足りなかった。日本語の「私」は、百年くらいの歴史しかないんじゃないだろうか、(ー正確ではない)と思うが、その「私」を〈私〉としたのは勿論精神分析学の影響もあるだろうが、香山自身がこの〈私〉について一貫していないと思う。ある意味、少し無責任だと思う。精神科医として病の診断はできていたとしても「精神分析」はできていない。2014/04/25

バトルランナ-

17
ネット上で誹謗中傷を受けている作者を知って一冊も読んだことないし、TVも見ないから全く分からん。本でも読めば意見を言えるかなと思って図書館で借りました!気に入ったら購入するということで!結果、いいなあと思ったのは2ページ。71ページのクレーマーの分析の話で『自分以外はバカと決めつけることで自己確認する』181ページの臨床心理学科の教員が集まるとよく『学生の半分はカウンセラーになるよりカウンセリングを受けるべき若者』といったジョークが小声で語られる。『自分より病んだ人を救えば、私自身が救われるのではないか』2014/02/22

猫丸

10
かつてのアメリカは、粗野な田舎者でお節介だが基本的に気の良いところがある保安官だった。そのアメリカからいつしか「善意」が消えたと著者は指摘する。テロに対するは報復か屈服か。一見合理的に見える二択の思考回路は、病んだ精神特有の視野の狭隘化を意味する。日本が病んでいるのはアメリカの責任が大きい。そして張本人のアメリカの病が深刻化したら、もう何が何だかわからない。不安に苛まれた個人は自己の存立自体に危険を感じ、あらゆる方策でこれを維持しようとする。それが「『私』」(のため)の愛国心」である。岸田秀の現代版。2023/02/22

minorU

3
国家や国民を個人になぞらえて分析するのは心理や精神医学の人がよくやるんだが、ちょっと乱暴な気がする。分析自体は面白く納得性もある。パーソナリティ障碍か・・・2013/05/17

charlie_

3
香山リカの本、初めて読んだ。「<私>の」と云うことが読み終わると分るのだが。。しかしおおむね納得させられて、読んで良かったと思った。心と云うものをもう一度考えなおしてみる、しっかりとしたきっかけになりそうだ。2012/10/03

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