内容説明
「日本人論」には歪みはないか。たとえば日本を「タテ社会」と一般化してよいのだろうか。すべての日本人が調和を重んじると普遍化してよいのだろうか。敗戦後の前近代的・権威的な社会から世界の優等生へと変貌したその過程で書かれた『ジャパンアズナンバーワン』『タテ社会の人間関係』をはじめとする多くの日本人論・日本社会論を、方法論的・知識社会学的に検証し、近年の変化にも目配りしつつ、実証的な調査を踏まえた新しい日本像を提出する。日本人論批判の原点の書。
目次
第1部 日本人論再考(これでいいのか日本人論;日本人は集団主義的か;日本研究のパラダイム;日本文化論のまやかし;産業社会一般にみられる家族主義的経営;ファシズムと日本社会)
第2部 もうひとつの日本人論(日本政治を考える;日本的経営の普遍性;日本人の交際関係;日本人とアメリカ人の仕事の概念;イデオロギーとしての日本人論;世俗モデルから科学的モデルへ)
著者等紹介
マオア,ロス[Mouer,Ross E.]
1944年、アメリカ合衆国ニューヨーク生まれ。オレゴン州ルイス・アンド・クラーク大学卒業。慶応大学、日本労働協会に学んだ後、タフツ大学フレチャー・スクールで博士号取得。現在、メルボルンのモナシュ大学アジア言語・研究学部教授。共著に『日本人論の方程式』、Images of Japanese Societyがある
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