出版社内容情報
20世紀は「国家」が単位となって世界は形成された。しかし日本はいまさら「普通の国」を目指す必要があるのか? むしろこれまでのあり方を積極的に評価、新しいユートピアとしての「日本という国」と今後を考える。
■目次
第一章 「日本滅亡論」のウソ-新型日本人がつくる新しい日本
1 「ライジング・サン」から「セッティング・サン」へ
日本は沈む?/少子化を逆転することができるか/無力化する
国家-市場が変化をもたらす/「寡民富国」をめざす?
2 新型日本人の登場
日本人は変わった/学力の低下?/<脱>学校の時代/「進学もせず
就職もしない」若者たち/フリーター症候群/会社とサラリーマンが
なくなる/「一億総中流」の終わり
3 二十一世紀日本型文明の形
幼児化が進む/「ケータイ個人主義」の到来/新型日本人がつくる
社会-市場・ネットワーク・バーチャル社会
4 日本は滅びるか
根拠のない「憂国」症候群
第二章 国家をめぐる幻想
1 国家とは何か
国家は市場から生まれた/国家の事業としての戦争/国家は最強の
暴力団-「リヴァイアサン」仮説/サービス機関化した国家
2 「国民国家」の終わり
国民国家は存在しない?/国民国家に関する三つの幻想/民族国家・
宗教国家の幻想
3 国家の進化
運命共同体国家の悲劇-ポリスの場合/ソクラテスの場合/「王の個人
会社」としての近世国家/課税が近代民主主義を呼び出した/国家は
合名会社タイプから株式会社タイプに進化した
4 「世界国家」としての帝国
株式会社型国家は帝国に発展する/世界は世界国家=帝国の興亡
によって動く
5 今日の世界をどう見るか
二十世紀という時代-戦争・革命・成長の終わり?/「リヴァイアサン」
の終わり/二十一世紀の世界はどうなるか
6 市場対国家-国家は市場に対して何をしてきたか
「グローバリズムは幻想」という幻想/「アメリカ型資本主義」はなぜ
嫌われるか/税金を取る国家/ルール・規制・保護/市場をコントロール
するという幻想/「セーフティ・ネット」は国家が用意すべきものか/「再分配
ゲーム」としての政治の終わり
第三章 日本という国
1 明治以前の日本
日本は普通の国/統一国家か分立国家か/徳川将軍は日本国王/鎖国
-世界の富国強兵ゲームに参加しなかったことの意味
2 近代国家の成功と失敗
尊皇攘夷派による革命/明治維新の「いかがわしさ」/明治国家の設計ミス
/自滅的戦争への道/戦後国家の設計/「民主教」と「平和教」/「母子
家庭国家」の行方
3 防衛問題というタブー
レイプと防衛/ゆすり・たかりに弱い国家/防衛力の評価/反核という宗教
/「核の傘」は有効か/自力防衛という幻想/二十一世紀の米中日の関係
第四章 市場が拓く日本の未来-楽しいシナリオ
1 <脱>国家-個人が主役の時代
世界をめざす人々/二十一世紀には何が起こるか
2 日本という国家の再設計
世界の「国制」/公選首相制または大統領制/天皇という存在
3 民主主義を卒業する
民主主義の限界/メリトクラシー/納税額に比例した投票権-ティモクラティア
/「ネットワーク直接民主主義」は政治家を無用にする/直接民主主義の
落とし穴
4 究極の解決-政治を市場化する
「権力」売買方式の民主主義/政策売買方式の民主主義
5 国家の民営化
教育・社会保険から警察・裁判所まで/国家も安全保障サービスを買う
6 あるユートピアの話
内容説明
もう国に望みは託せない!ひ弱で、バーチャルな人間が幅をきかす時代が、自立した個人が活躍する未来か―。徹底的な市場化のみが「日本」を変えていく。発想の転換を迫る異色評論。
目次
第1章 「日本滅亡論」のウソ―新型日本人がつくる新しい日本(「ライジング・サン」から「セッティング・サン」へ;新型日本人の登場 ほか)
第2章 国家をめぐる幻想(国家とは何か;「国民国家」の終わり ほか)
第3章 日本という国(明治以前の日本;近代国家の成功と失敗 ほか)
第4章 市場が拓く日本の未来―楽しいシナリオ(“脱”国家―個人が主役の時代;日本という国家の再設計 ほか)