エドワード三世

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  • サイズ B6判/ページ数 191p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560035887
  • NDC分類 932
  • Cコード C0074

内容説明

百年戦争の最中、美女の誉れ高い伯爵夫人に恋い焦がれるエドワード三世の様と騎士道の美徳を称えた歴史劇。

著者等紹介

河合祥一郎[カワイショウイチロウ]
1960年生まれ。東京大学英文科卒。ケンブリッジ大学英文科博士課程と東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を修了、両大学より博士号(Ph.D.)取得。東京大学大学院総合文化研究科助教授、放送大学客員助教授。専攻はイギリス演劇(シェイクスピア)・表象文化論
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感想・レビュー

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ワッピー

30
最近読了した洋書のエピグラムの引用から興味を持ちました。100年戦争前半のクレシーの戦い、ポワティエの戦いで英仏両王の明暗とエドワード黒太子のデビューを約めて活写。フランス王の正統性をめぐる争い、スコットランドを使って背後から衝くフランス王の戦略にもかかわらず、イングランドの大勝利に終わる流れですが、主役のエドワード三世が微妙に黒太子に冷たい感じがするのもあれこれ裏読みをしてしまいそう。コミック「ホークウッド」(トミイ大塚)がまさにこのテーマを扱っています。近年ようやくシェイクスピア作品と認められた由。2020/08/13

松本直哉

24
百年戦争の雄エドワード王が無理やり臣下の伯爵夫人に言い寄るところを、彼女が王の命令より神との結婚の誓いが優先すると言って命がけでパワハラを拒絶するところが前半のハイライトならば、後半のそれは籠城のカレーの町から和議を求めて出てきた市民たち(ロダンの彫刻で有名)を王が処刑しようとするのを妃が諌めてやめさせるところ。好色と残虐という英雄の二大悪徳がともに女性の力で避けられているのが面白かった。シェークスピアの作であることがごく最近明らかになったとのことだが、読みごたえのある作品でした。2018/09/30

風に吹かれて

13
「一部を書いたということになれば、シェイクスピア作品群に収めようというのが、これまでの慣習」なのだそうだ。文体、語彙などについて多くの研究者が研究し、1990年代後半になって全集に本作が収められるようになったとのこと。  本作はシェイクスピア初期の作品。これまで読んだ作品と比べると緊密度に欠けるような気がする。前半のエドワード三世がソールズベリー伯爵夫人を口説き落としたくて仕方ない場面と後半の対フランス戦争の筋立てが劇としてのつながりがないような気がする。⇒2021/06/18

有沢翔治@文芸同人誌配布中

10
最近になってようやくシェイクスピアが書いたと解った作品。エドワード黒太子の親父、エドワード三世が主人公だが、エドワード黒太子も出てくる。前半のエドワード三世は汚い手を使い、夫人を寝取ろうとするが、諌められて改心。人間ってそんなに遺恨なく付き合えるもの?http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51499514.html2018/08/04

syota

8
20世紀末にようやくシェイクスピアの真作と認められ、邦訳が出たのは21世紀に入ってから。前半は美しい伯爵夫人に王が横恋慕する話で、後半は百年戦争序盤の英軍快進撃を描く。2幕で権力をかさにきて人妻に迫る様子は、時代劇の悪代官なみw 伯爵夫人の貞淑さばかりがクローズアップされる。3幕以降は、敵より一ケタ少ない兵力で奇跡的勝利を重ねる、息子の“黒太子エドワード”がヒーロー。こちらでも王様はかすみがち。ただ、伯爵夫人とのやりとりや、戦争場面の凝縮された描写など、シェイクスピア作品としての水準は確保していると思う。2015/03/01

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