出版社内容情報
日本人の論語・『童子問』の現代語訳決定版。
江戸前期の儒学者・伊藤仁斎の『童子問』の現代語訳。人間とは何か、どうあるべきか、古典の碩学が「日本人の論語」を易しく読み解く。
江戸初期の儒学者、伊藤仁斎は、学問とは知識の競い合いではなく、人間性の修練であると唱えた。そして、『論語』『孟子』の精髄を読み抜き、日本人の感性に即した儒学を、師と弟子の問答形式を用いて叙述した。それが『童子問』である。本書は、全百八十九章から成る『童子問』を現代人が読みこなせる言葉に訳し、さらに要諦を解説する。
▼仁斎は儒学を支那から取り寄せ、そのままを暗唱するのではなく、儒学の真髄を把握したいと考えた。儒学の目的は人間の生きるべき道を深く学び、それを実践する強い意志であることを悟り、これこそが、本来の学問であるという信念を持った。仁斎の出現により儒学は輸入学ではなく、日本人が人生の生き方を社会生活の中で、工夫する手立てとなったのである。仁・義・礼・智とは何か。人間関係の心得とは何か。人生における永遠のテーマを、親しみと温かみをこめて、諄々と説く。古典の碩学が、老若男女すべてに贈る、普遍の人間学。
[巻の上]
●序章 真理は高く遠いところではなく身近にある
●第1章 『論語』『孟子』はすべての真理を含んでいて、欠けるところがない
●第2章 学問修業に近道はない
●第3章 『論語』は食べ物に譬えると飽きのこないコメである
●第4章 議論高遠な説は、ひねくれた私説である
●第5章 最も尊い真理は知り易く行い易い ほか
[巻の中]
●第1章 道の行動指針の根本義は「仁」である
●第2章 「中正」は物事を判断するときの心構えでしかない
●第3章 正直者が礼を知らなければ辛辣になる
●第4章 『中庸』は『論語』の解説書である
●第5章 天が放った運命の矢はお前に定まった。宇宙の原則をしっかり握れ ほか
内容説明
江戸初期の儒学者、伊藤仁斎は、学問とは知識の競い合いではなく、人間性の修練であると唱えた。そして、『論語』『孟子』の精髄を読み抜き、日本人の感性に即した儒学を、師と弟子の問答形式を用いて叙述した。それが『童子問』である。本書は、全百八十九章から成る『童子問』を現代人が読みこなせる言葉に訳し、さらに要諦を解説。仁・義・礼・智とは何か。人間関係の心得とは何か。人生における永遠の主題を、親しみと温かみをこめて、諄々と説く。古典の碩学が、老若男女すべてに贈る、普遍の人間学。
目次
巻の上(真理は高く遠いところではなく身近にある;『論語』『孟子』はすべての真理を含んでいて、欠けるところがない;学問修業に近道はない;『論語』は食べ物に譬えると飽きのこないコメである ほか)
巻の中(道の行動指針の根本義は「仁」である;「中正」は物事を判断するときの心構えでしかない;正直者が礼を知らなければ辛竦になる;『中庸』は『論語』の解説書である ほか)
著者等紹介
谷沢永一[タニザワエイイチ]
関西大学名誉教授。文学博士。昭和4年大阪市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。関西大学文学部教授を経て、平成3年退職。サントリー学芸賞。大阪市民表彰文化功労。大阪文化賞。専攻は日本近代文学、書誌学。評論家としても多方面で活躍
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