PHP新書
20世紀とは何だったのか―現代文明論〈下〉「西欧近代」の帰結

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  • サイズ 新書判/ページ数 241p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569635460
  • NDC分類 309.02
  • Cコード C0230

出版社内容情報

虚しさを生み続けた20世紀、現代に落とす影。

確かな価値を失った人間は、どこへ向かおうとしたのか。格段の進歩を遂げたはずの20世紀、その本質にある影に迫る現代文明論(下)。

第一次大戦を境に幕を開けた「現代」。西欧の凋落を背に、自由・民主主義のアメリカ、社会主義のソ連、そしてファシズムが「世界」を動かす。20世紀の挑戦、それは新しい価値と希望の創出だった。

▼しかし、私たちの不安は消え去らない。ニヒリズムから逃れる術はないのだ。それに気づいたとき、勝ち残ったアメリカ文明の欺瞞が見えてくる。

▼ニーチェ、ハイデガーの鋭い指摘を踏まえ、大衆化される現代社会の本質と危険性を暴き出す。独自の歴史観と広角な視点で時代の見取り図を提示する、佐伯啓思の「現代文明論」講義・完結編。

▼*現代文明論(上)『人間は進歩してきたのか』(PHP新書274)


[内容紹介](第1章)近代から現代へ (第2章)価値転換を迫られるヨーロッパ (第3章)ニヒリズムと「存在の不安」 (第4章)なぜファシズムが生まれたのか (第5章)「大衆社会」とは何か (第6章)経済を変えた大衆社会 (第7章)アメリカ文明の終着点

●第1章 近代から現代へ―第一次大戦の衝撃と西欧の悲劇 
●第2章 価値転換を迫られるヨーロッパ―ニーチェの真意 
●第3章 ニヒリズムと「存在の不安」―ハイデガーの試み 
●第4章 なぜファシズムが生まれたのか―根無し草の帰る場所 
●第5章 「大衆社会」とは何か―近代主義の負の遺産 
●第6章 経済を変えた大衆社会―貨幣の新しい意味 
●第7章 アメリカ文明の終着点―技術主義とニヒリズム

内容説明

第一次大戦を境に幕を開けた「現代」。西欧の凋落を背に、自由・民主主義のアメリカ、社会主義のソ連、そしてファシズムが「世界」を動かす。二十世紀の挑戦、それは新しい価値と希望の創出だった。しかし、私たちの不安は消え去らない。ニヒリズムから逃れる術はないのだ。それに気づいたとき、勝ち残ったアメリカ文明の欺瞞が見えてくる。ニーチェ、ハイデガーの鋭い指摘を踏まえ、大衆化される現代社会の本質と危険性を暴き出す。独自の歴史観と広角な視点で時代の見取り図を提示する、佐伯啓思の「現代文明論」講義・完結編。

目次

第1章 近代から現代へ―第一次大戦の衝撃と西欧の悲劇
第2章 価値転換を迫られるヨーロッパ―ニーチェの真意
第3章 ニヒリズムと「存在の不安」―ハイデガーの試み
第4章 なぜファシズムが生まれたのか―根無し草の帰る場所
第5章 「大衆社会」とは何か―近代主義の負の遺産
第6章 経済を変えた大衆社会―貨幣の新しい意味
第7章 アメリカ文明の終着点―技術主義とニヒリズム

著者等紹介

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学経済学部教授などを経て、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は社会経済学、社会思想史。おもな著書に『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論檀賞)など多数ある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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白義

14
近代化による故郷喪失の果てのニヒリズムという視点からファシズム、金融資本主義、アメリカニズムといった現象をばっさばっさとまとめ斬りする現代史講義。下手したら単に自分の嫌いなものをまとめただけではないかというかかなりそれっぽさが濃厚な部分もあるが、ハイデガーやニーチェ、アーレントの思想を土台に近現代の逆説を明晰にまとめた保守的文明史論としてさすがの切れ味と分かりやすさ。上巻で示された近代史観から違和感なく話も繋がっていて、元は大学の講義というだけありスムーズに現代の見取り図を把握できる2014/10/02

shiaruvy

8
★4.5 [2004.06.02 初版] 下巻のほうは今の民主党政権や知事→市長,はたまた日本の真ん中の首長2人らの人々を思い描きながら,色々考え読んだので時間が掛かった。 本当はミステリー本やDVDにかまけていたのだが..(^_^;) 政治は大衆の意見でおこなわれてよいのか!等,政治素人集団に人気が集まっている現在を考える善き指南書になった。2012/09/16

肉尊

3
神や共通善の代わりに自由・民主主義を正義の名のもとに正当化してきたアメリカ。その源流はヨーロッパに遡ることが可能らしいです。20世紀とは何かという漠然としたテーマですが、様々な観点から考察している本だと思いました。本来、目的とすべき正義が手段と化していることや、平凡さゆえに政治の担い手面している大衆など、切り口が面白かったです。参考文献の少なさが目につきましたが、考えさせられる一冊だったと思います。2017/08/03

ceskepivo

3
階級の消滅、民主主義の発展、消費社会化は必ずしも明るい未来をもたらさない。「ケインズの処方は、エリートの専門的な手腕と政府の権威によって、大衆社会のもたらす経済的不安定を管理しようとするものだった」(195頁)が、果たして、「エリート」や「政府の権威」が今の日本に存在すのか。「アメリカ文明の生み出した現代文明の大きな特徴はまさに故郷喪失であり、故郷喪失による普遍化なのです」(229頁)。我々は、帰るところも失ってしまうのか。本書は20世紀の流れを社会哲学の側面から分かりやすく説明している。2010/11/28

ショウゴ

1
アメリカ的な自由主義や民主主義を当たり前に受け止めるのではなく、懐疑的に検証してニヒリズムを克服するという態度でこれからも勉強していこうと思いました。結構深い内容で文庫なのに時間がかかりました。2018/08/24

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