平凡社新書
江戸の釣り―水辺に開いた趣味文化

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582851793
  • NDC分類 787.1
  • Cコード C0221

内容説明

天下泰平の実現、波静かな内湾に面した立地、テグスの渡来などの条件が整ったことによって、趣味の釣りが江戸の町で誕生し、大発展を始めた。大名や旗本など武士階級の間で盛んになり、次第に町人や女性へ、さらに地方にまで広がっていった当時の釣りとは、そして釣り人や獲物の魚はどのようなものだったのか。その技と遊び心の世界を明らかにする、日本の「釣魚文化事始め」。

目次

第1章 武士の間に興った新たな遊び―第一期の江戸の釣り
第2章 旗本津軽采女の『何羨録』―第二期の江戸の釣り
第3章 生類憐みの令と釣りの禁制―十五年以上の断絶
第4章 庶民層への拡大―第三期の江戸の釣り
第5章 地方への拡大―諸藩、各地での釣り
第6章 幕末江戸の釣り模様―坂本龍馬から徳川慶喜まで
終章 日本の釣りの深層潮流

著者等紹介

長辻象平[ナガツジショウヘイ]
1973年京都大学農学部(魚類生態専攻)卒業。同大理学部研修員を経て産経新聞社入社。シンクタンク主任研究員、平凡社「アニマ」編集部員を経て産経新聞社に復社。現在、同社編集委員、科学ジャーナリスト、釣魚史研究家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sibasiba

14
遊びの釣りが日本で始まったのが江戸初期の武士たちからだという。彼らの趣味に興ずることの言い訳として釣りが武道に通ずるというのと太公望の名が利用された。仏教の影響力の衰えからという推察に得心。その流れで生類憐れみの令の釣りに対する影響が大変興味深い。武家屋敷で釣り遊びなんてあったのか、すでに釣り堀も発達しているし江戸中で釣り人ばかりに思えてくる。2014/03/14

ようはん

10
江戸時代に発達した娯楽としての釣り文化に関しての詳細。江戸時代に釣り文化が生まれた背景として戦乱が無くなったのみならず、仏教権力の衰退による魚への殺生に対する抵抗感が減った事や中国産の蛾の幼虫から作っていた輸入テグスの登場といった辺りは新鮮だった。生類憐みの令による一時の暗黒時代や庄内竿で有名な庄内藩が釣りを武士の質実剛健な嗜みとしていた下りも面白い。2020/04/18

かばんもち

1
庭(庭園)の池で釣りをするあたりは、やはり仏教信仰の衰えから、釣りという文化が開きだしたという考え方が道理かも。道具に凝り出すあたりは、日本人の特質でしょうか、茶の湯などの所謂「道」の世界にも見える現象です。個人的には、道具は釣るためのツールでいかに釣るかが楽しみですが、今も道具にこだわる人も沢山いますね。現在では装飾ではなく必要以上のスペックを持つ道具を求めるわけですが。2016/10/03

washa46

0
江戸時代のプロアングラーみたいな殿様が編纂した釣り指南書上、中、下巻の3冊を著者が読者に読み易く紹介してくれる本。 将軍主催のトーナメントや釣具屋、船宿、釣り場案内書や釣りマニュアルなど、当時の釣りブームが面白かった。2023/09/26

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