内容説明
片や企業による興行・広告塔としての日本プロ野球、片や地域に根ざしたありようを模索するJリーグ。いま、日本の観戦スポーツ文化は重大な岐路に立っている。誰のためのチームか?何のためのスタジアムか?そもそも観戦球技とはどんな役割を果たすべきなのか?問われているのは文化的ヴィジョンの構想力なのである。「野球型」と「サッカー型」、未来はどちらの先に?文化としての球技のありかたを根源的に問う。
目次
第1章 企業スポーツと地域スポーツ―企業文化のプロ野球、地域文化のJリーグ
第2章 スポーツ世界地図―野球は「地域限定スポーツ」である
第3章 野球とサッカー、ここが違う―かくして若者は野球文化を見放した
第4章 スラッガーとストライカー―選手の海外移籍をどう考えるか
第5章 球団型からクラブ型へ―地方のサッカー文化は、花開いている
第6章 スポーツ文化はこうして根づく―真の豊かさ、文化的な豊かさを求める国へ
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
1958年東京生まれ。作家
葛岡智恭[クズオカトモヤス]
1959年東京生まれ。法政大学卒業後、出版社勤務を経て独立。雑誌編集、広告制作にたずさわる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Kaz
4
野球型からサッカー型へ移行するのがベストという筆者の主張は理解できるが、サッカー型の礼賛が偏重しすぎて、野球フアンの私としては、ちょっとムッとしてしまいます。まあ、地域密着できるに越したことはないですけど、現実はねえ。成功しているところも結局は大都会ですし・・・。2014/09/13
ほっそ
4
日本のプロ野球とJリーグとの「確執」といえば、例のあの方の存在があります。さすがにお名前は表記されず、「社長兼主筆」ですって。なるほど。2010/06/24
Jasmin
2
スポーツ文化を深く根付かせるためには、野球型(企業によるスポーツ興行)よりもサッカー型(地域密着型)を取り入れるべき。だからある会社の、ベイスターズの本拠地を移すという考えは論外なのである。そして巨人中心主義のプロ野球は嫌いだ。たしかに巨人のおかげで各球団は放映料がもらえるわけではあるが、そこまでの権限を持てるには値しないと思う。テレビ放送の少なさが表すように、野球人気の低迷は明らかである。この危機を乗り越えるために、日本プロ野球界はこれからどのような動きをするのか。とても気になるところである。
Subenson54
1
比較文化論を語る割にはサッカー礼賛・一辺倒の駄本。「NPBの選手はホームランを打った後にガッツポーズをするのは相手投手への侮辱と考えるらしいが、本場のベースボール文化ではあり得ない」的な一文に唖然。こんな人達でもスポーツ文化論の本が出せるんだな、と逆に感心した。プロ野球OBやナベツネがデカい顔をするのが嫌いらしいが、多分に私情を挟んでいる印象。球技好きオヤジが飲み屋でクタクタ喋っているのに付き合わされたような気分だった。2014/04/26
もやしと食パン
1
野球派の自分からするとサッカーを知るいい機会になりましたが、サッカーに偏っているのは否めないですね。米側がアメリカで英側がサッカーというのはわかりやすかったです。2014/03/19