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出版社内容情報
人類文明の美的な結晶の一つである芸術は，一見すると天才的な芸術家が一人で生み出したかのように思えるが，実は長大な文化的伝統と重層的な社会的諸関係のただなかで受胎し産み落とされたものにほかならない。文化的・社会的生成の構造に焦点を当て，各時代の芸術理論を振り返るとともに，芸術作品がいかにその時代の文化と社会に深く根ざしていたかを歴史的に考察している。「ペリクレスとギリシア建築」「修道院の神学者とロマネクス美術」「ルネサンスの哲学とイタリア・ルネサンス美術」「戦争の世紀と20世紀美術」などで構成。
１．ペリクレスとギリシア美術
２．プラトンとギリシア文芸
３．アリストテレスとギリシア演劇
４．修道院の神学者とロマネスク美術－その１
５．修道院の神学者とロマネスク美術－その２
６．サン・ドニのシュジェールとゴシック美術
７．ルネサンスの哲学とイタリア・ルネサンス美術
８．ルネサンスの政治とイタリア・ルネサンス美術
９．宗教改革と北方ルネサンス美術
１０．対抗宗教改革とバロック美術
１１．ディドロとロココ美術
１２．革命の時代と１９世紀美術
１３．戦争の世紀と２０世紀美術
１４．死の影と現代芸術
１５．環境芸術と現代社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
生きることが苦手なフレンズ
1
放送大学の教材だそうですが、芸術史、美学理論の流れを理解する入門書的な内容というより、著者の主張が盛り込まれた評論的な著作です。近代のロマン派的な芸術観が嫌いなようで、ロマン派やその頃の芸術については章を割いて批判的に検討することさえなく、全体を通してひたすら批判していました。芸術を作家の心情表現とする芸術家＝天才みたいな芸術観が間違っていることは分かった。じゃあ、作者、芸術家って何なの？という疑問が湧きます。そのあたりも書いて欲しかったですね。2012/12/06
