生きる者の記録 佐藤健

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784620316253
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

内容説明

定年を目前に末期がんを宣告された新聞記者が、最期の一カ月、病床で自らの生を刻々と記した。その日々を伝え毎日新聞で大反響を呼んだ、魂のルポルタージュ。

目次

僕は末期がん、その現場からルポを送ります
「余命半年と言われて3年です。おたくは?」
「お湯に負けないぐらい食わなきゃ」
「ほんと日本の男は自分の体と向き合わないんだから」
「落ち込む暇はないでしょう」
「春に会おう。先にくたばっちゃダメだよ」
「酒は一滴もダメです。いやならお帰りください」
「生」の重さ、教えられた
「旅は…止めても行くんでしょう?」
突然、声が出なくなり…〔ほか〕

著者等紹介

佐藤健[サトウケン]
1942年、群馬県生まれ。法政大学社会学部卒。61年、毎日新聞社に入社。76年、毎日新聞の長期連載「宗教を現代に問う」の取材班の一人として、得度剃髪して「新聞記者が雲水になってみた」を書く。連載全体は第24回菊池寛賞を受賞した。宗教を主なテーマに据えながら、アフリカのマウンテン・ゴリラから野球のイチロー選手まで、幅広い取材対象に飛び込み、現場の体温を伝える数々のルポルタージュをものした。2002年12月、末期がんの病床で、自らの生と死を見つめた「生きる者の記録」を社会部専門編集委員として朝刊に連載中、食道がんで死去した
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感想・レビュー

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kawa

31
著者は毎日新聞記者。患ったガン闘病と死を周囲の仲間の助けを得ながら自らドキュメント、毎日新聞に掲載。まあァ、日頃の不摂生との批判もなくはないが(優等生的人生もつまらない)、人徳のなせるところ、周囲を巻き込み自らの死を見事に演出。不運や苦しみはあるけれど、記者冥利につきる幸せな晩年だと言える。「生は光 死は闇 私達の生とは 闇と闇との空間を横切る 星なのかもしれない」晩年の言が印象的。生も死も百者百様万者万様。一瞬、袖すり合う縁があった者として、遅かったけれど手に取って良かった一冊、合掌。(2003年刊)2022/07/21

4fdo4

11
元記者のがん闘病記。かなりの大酒飲み。湯治の話が思ったよりも少なく。がんに湯治の効果があったのか否かを知りたかった。若いころの出家した話も面白い2023/04/30

皐月

1
積読の一冊。2022/08/15

じむくろうち

0
ほとんど家におらず、たまに家に帰っても布団でウイスキーを飲みながら寝ていたという。優秀な記者だったのだろうが、家庭人としては困ったちゃんだったのだろう。こういう人って結構いる。2012/08/27

Kyo-to-read

0
末期癌患者佐藤記者の最期の様子と雲水になる為に体験した禅宗の修行の様子が内容。いずれも宗教をテーマにした取材を行ってきた経験のある記者らしく、死に際しつつも、それを忌避するのではなく、敢えてこれまでの自分の生を強く肯定する事で、一人の人間がいのちを締め括る様子をありのままに描く。全体のエピソードを通して、生を描きつつも、力強さというより、ある種の静かさが漂う。これは佐藤記者が体得してきた生に対する態度、そして、随所に出てくる玉川温泉の末期癌患者、禅宗の僧侶等の登場人物達が示す、自分或いは生との、静かなる対2011/10/31

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