出版社内容情報
フランス革命からドレフュス事件、世界大戦まで<フランスのユダヤ人>の歴史を考察する長篇論考。
内容説明
果たして“近代”は終わったのか?錯綜を極めるフランスのユダヤ人の軌跡を追い、民族の20世紀の意味を問う。10年の作業を経て、新鮮な視角と緻密な思考が織りなす、注目の気鋭の長篇論考。
目次
ユダヤ系フランス人
第1部 イスラエリットの歴史(ユダヤ人の解放、そのフランス的展開;フランスのユダヤ人社会とその周縁;民族的アイデンティティの行方)
第2部 イスラエリットの政治(国民化の中のフランス・ユダヤ人社会の再統合;共和国の防衛者たち;民族性の復権 ほか)
第3部 ドレフュス事件「以後」(民族で読むドレフュス事件;知識人;ユダヤ人アイデンティティを求めて ほか)
そして彼らは戦争に行く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
3
意外に重かった。19世紀フランスのユダヤ(と反ユダヤ) と、フランスという国家との関係について書かれた本。フランス革命によって人権を得たユダヤ人は同化によりフランスに根付いていく。しかしそれは宗教自体のありよう、民族としてのアイデンティティーを変えていくものでもあった。同化したユダヤ人にとってのドレフィス事件、反ユダヤとの関係、新たな道の模索。20世紀はあまり触れられておらず残念。でも新しい移民に対する反応、アイデンティティーの問題など得るところ多し。複数論文をあわせたせいか、重複部分が多々ある。2018/10/11