理想の教室
『カンディード』“戦争”を前にした青年

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  • サイズ B6判/ページ数 164p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622083085
  • NDC分類 953
  • Cコード C1398

内容説明

「すべては最善の状態にある」と説く師の教えを無邪気に信じる青年カンディードには、“戦争”の現場さえも調和した光景に見えています。18世紀の作家ヴォルテールが描く“戦争”に直面した若者の場面を取り上げ、テクスト分析の手法で読み解いてゆくこの授業で、「読む」スリルと「共振」のダイナミズムを体感してください。

目次

第1回 「きれいな戦争」?(戦争のイメージ(一))
第2回 カンディードは言葉の囚人?(城の世界の構造―第一章を読む)
第3回 間近から見る戦場(戦争のイメージ(二)
まとめ―歴史の大きな変わり目とその表現)
補講 「断片化した身体」から見えてくるもの

著者等紹介

水林章[ミズバヤシアキラ]
1951年生まれ。東京外国語大学教授。専攻は十七‐十九世紀前半のフランス文学。近世・絶対王制期の西欧に現代の世界システムの直接的な起源があるという視点に立ち、近代成立期のフランス文学・思想を歴史的・社会的変容とのかかわりにおいて読み直す作業を進めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

40
【ゲーテの時代12】ヴォルテール「カンディード」購読講義。フランス語の講義の再録という趣。テクスト分析を中心に解説され、「文学」を読むとはこういうことをいうのか、と感じ入ったが、私は、「カンディード」を文学ではなく思想として読んでいたんだな、と逆に思ったりする。一方で、カンディードの最後の言葉、「ぼくたち、畑を耕さなきゃ」を、近代市民社会の前提となる自律的個人の誕生の物語であり、神が遠ざかってしまってただひとり取り残された人間の出現の歴史的瞬間をとらえたもの、と解している。この歴史的認識はその通りだ↓ 2021/01/11

llll'

0
2010/08/04

Pezo

0
ごく短いテクストを「近代のはじまり」という視点から腑分けしていく過程は刺激的。でも補講の「断片化した身体~」のほうが面白かった。2013/02/01

のうみそしる

0
文章を分析する際の良質な指南書。普通では気にも留めないような部分を鮮やかに暴いていく著者がステキ。いろんなレトリックがあるんだなーと思った。2011/05/29

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