Historia
歴史書を読む―『歴史十書』のテクスト科学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 180p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784634491908
  • NDC分類 235.03
  • Cコード C0322

内容説明

西洋の古代から中世への転換期に、ひとりの教会人が後世へのメッセージとして書き残した史書『歴史十書』。それは伝えられるようにフランク人の歴史を記すことを目的としていたのだろうか。語られる内容だけでなく、テクストの分節構造を手がかりに、著者グレゴリウスがこの史書に託した知られざる意図を解き明かしてゆこう。

目次

1 グレゴリウスの生涯と著作
2 『歴史十書』とは何か
3 テクスト構造と終末思想
4 沈黙のテクスト
5 『歴史十書』テクストの独自性

著者等紹介

佐藤彰一[サトウショウイチ]
1945年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学大学院文学研究科・高等研究院教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蛇の婿

11
ちょうど『フランク史―一〇巻の歴史』が読めずにうんうん唸っていたところにこの本と出合うことができました。まず念頭に置いたのは先の本の読破の一助としてなので、私がこの本を読んだスタンスは単体でこの本を読んだ他の方たちとはちょっと違うかもしれません。…おかげさまでなんとなくですが、どう読めば良いかがわかったような気がします。…特に後半のテクストの性質の分類、本全体の、キリスト教の持つ終末思想の表現としての体裁は、この本で指摘されてはじめて目から鱗の落ちる思いでした。なるほどなぁ…2015/08/03

Mentyu

4
中世ヨーロッパについては無知なので、『歴史十書』についても初めて知った。日本古代史で言うところの記紀のような存在らしい。そのような基本史料を出来事の倉庫として扱うのではなく、著者の認識に迫ろうとする本書の目的はすんなり理解できた。手法についてもなるほどと思わされる。終末到来を恐れる中世人のあり方もおもしろい。2018/04/14

rbyawa

2
『歴史十書』というのはフランスの前身、フランク王国メロヴィング朝の頃の唯一の史書、と言われていて、この読本を書かれたのはこの時代の専門家の方。あとで、実際に読んだ翻訳本とは実はえらく違うイメージを持ってしまったんですがw よくよく考えてみると概ね納得。人物の去就や移動については不思議なほどきっちり把握してましたよね(ただ、語られる内容がどっちかというと胡乱w)。佐藤さんも『歴史十書』で翻訳本出してくれないですかね。待ってます、解説つけてね!2010/04/17

suzuki-takefumi

1
「歴史十書」の簡単な紹介とその解釈なのだが、歴史十書そのものの紹介部分も「知られざる意図」という部分も量が少ない。前提の「通説」を知らないと新解釈を聞いても「ふーん、なるほど」としか言えない……2014/03/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/329980
  • ご注意事項

最近チェックした商品