内容説明
アルコール依存症は、回復はあっても治癒のない病気である。死亡率もきわめて高い。本人の社会生活はもちろん家族への影響も深刻だ。この病気に打ち克つには文字どおりサバイバル作戦が必要である。病気の理解、適切な薬の服用、自助グループへの参加―回復に至る戦略・戦術が不可欠なのである。回復への全ポイントを収めたこの本は、患者の家族の方々、ケアにあたる人々必読の書。
目次
1 私がアルコール依存症だって!?
2 どうしても断酒しなければいけないの?
3 どうすれば断酒を続けられるの?
4 アルコール依存症って治るの?
5 どうしてあんなに飲んだのだろう!
6 私の父もノンベエだった
7 妻には苦労をかけた
8 妻や子供も変わらなければ!
9 アルコール家族の中の子供たち
10 職場復帰と地域社会復帰
11 《仲間》を鏡として
12 回復への道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Asakura Arata
5
依存症病棟に配属されて初めて読んだ本。12ステップに愛やかり12章にしているのだろう。具体的な診察室のやり取りが勉強になった。今読み返してみると依存症の人が言いそうなキーフレーズが満載。しかし最近の当事者はここまで言語化できる人は相対的に少なくなっているのでは?2023/04/28
小心
0
アルコール依存症外来の病院の売店に置いてあった。依存症を登山に例えたのがわかりやすかった。8合目まで登ってしまったら(依存症になったら)、何年断酒しても一度飲めば麓からのやり直しではなく一気に八合目まで到達してしまうと。アルコールだけでなく、ギャンブルなどほかの依存症にも言えるんだろう。一度自転車の乗り方を身につければ、10年ぶりに乗ってもちゃんと運転出来るのと一緒らしい。脳の記憶って忘れたつもりでも消せないのね。2013/07/24
うちこ
0
アルコール依存症者の家族向けにおすすめの本として、病院の資料で推薦されていた一冊。とても励みになるだけでなく、人間の心の動きについての記述は、すべての依存性にあてはまることが書かれています。 ふつうは縁がなければ読まない本ですが、お医者さんは「恋愛も構造は同じ」と言っていたので、なにかに依存している危険を感じたことがある人は「明日は我が身」という気持ちで読めると思います。2013/01/14
くらげ@
0
(☆☆☆☆☆)2011/08/31
アマテラス
0
当事者(本人)がこの本を手に取る可能性はほとんどないので…まずはその周囲の人間が読んでみて、「家族内トラウマとその影響」あるいは「それからの回復とは?」を考える余裕を持ててから…当事者の回復について考えるのに最適の良書!?2009/05/11