内容説明
本書は、現在「92年統合」をひかえ注目されているヨーロッパの経済統合の歴史的歩みを解明するとともに、私たちが知っているドイツやフランスといった国民国家の枠を超えた、その底流にあるもうひとつのヨーロッパの姿を明らかにしてくれる。
目次
工業化と貿易の拡大
新しい輸送・通信手段
人、知識、資本の移動
ヨーロッパの対外進出
政治的要因―条約、関税、関税同盟
経済的解体の脅威―1919~1945年
1945年以降の再建
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
駒場
1
産業革命から冷戦期のヨーロッパにおける経済統合への歩みを詳述した本。マイナーな人物、事例を取り上げている部分もあり多少難解な部分も。産業革命以後、ヨーロッパでは相互依存関係が進展し、マンチェスター学派の主張する通りの平和が訪れるかに思えたが、その後のナショナリズムの台頭、経済的合理性を捨てた政治の選択によって一時「退行」の時代を迎える。二度の戦渦を経たヨーロッパは再び経済統合へと進むが、それが今後どうなるか?古い本なので統一通貨導入まで達成した現在のヨーロッパについてまでは書かれていない2013/01/04