内容説明
加賀百万石の藩祖前田利家の実録。信長・秀吉政権の成立と展開に密着しつつ、幸運に乗って自らを開拓する勇気と才能、誠実と機智とを具え、変転する動乱の世に、順調な境遇を保って生涯を閉じる。本書は稗史や巷説に惑わされず、あくまで基礎史科を忠実に踏まえ、豊臣政権の側面を叙して、利家の真面目を描き出す。新装版は、新史料により加筆し、異説の多いその出生年次を解きあかした。
目次
第1 出生・前出氏の出自
第2 織田家仕官
第3 信長の北陸支配と利家
第4 本能寺の変の影響
第5 賤ケ岳の戦い
第6 前田氏の地位確立
第7 統一政権への協力
第8 朝鮮出兵と前田氏
第9 秀吉の晩年と利家
第10 五大老就任
第11 利家の晩年
第12 行跡・家族・親族
前田利家略系図
略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
11
やはり才覚と人望があったからこそ激動の戦国時代の中を生き抜き、加賀百万石の基礎を築くことができたのだと、改めて納得。面白かった。2018/07/31
多読多量連投が日課だった
0
柴田勝家と親密だったのに秀吉に付いたひと。2017/07/28
wuhujiang
0
前田利家が織田に仕官した時から豊臣家の将来を憂いながら死去するまでの一生を追った本。 利家の武将としての活動、領主・有力大名としての政治活動のみならず、能などの芸能活動についても多く紹介されている。 利家は創作等では武将としての面が強調されている気がするが、本書の結論は「律儀な性格で人の心の機微に敏感、領主として経済観念も優れていた」というものである。 納得できる結論であり、そうした個人的資質がなければ家康に並ぶ豊臣政権の後見人として指名されず、また任務も全うできなかっただろうなと感じた。