出版社内容情報
内容紹介
公家(貴族)と武家に焦点を合わせた共同研究の第二報告集。第一集は公家・武家の身分秩序の原理や職能体系の意味・役割を、地域による比較も交えて明らかにしたが、本書ではさらに、「家(イエ)」の成立と展開を統一テーマに設定し、「家」の形成に公家・武家という階層が果たした役割を追究する。日本のみならず広く中国・中東・西洋の事例も扱い、22篇の論文を収録。さらに家族・親族論の新たな試みともなっている。
執筆者(執筆順)
笠谷和比古/村井康彦/瀧浪貞子/官文娜/橋本義則/朧谷寿/石井紫郎/平山朝治/下坂守/加納重文/名和修/西山恵子/源城政好/川嶋將生/杉立義一/谷口昭/井上勝生/大庭脩/竺沙雅章/平田茂樹/鈴木董/江川〓
内容説明
本書は国際日本文化研究センターにおいて、平成8~10年の三年度にわたって開催された「公家と武家」をテーマとする比較文化領域での共同研究会の報告書である。今回の三年度にわたる共同研究では、日本社会の中で顕著に発達し、日本の歴史において重要な役割を果たした独特の社会単位である「家」の成立と展開を統一テーマとして設定した。
目次
序論 「家」の概念とその比較史的考察
1 「氏」から「家」へ(氏上から氏長者へ;山階寺と興福寺―藤原氏氏寺の成立;古代社会の婚姻形態と親族集団構造について―日本古代の近親婚と中国の「同姓不婚」との比較において ほか)
2 日本社会における「家」の展開(「イエ」と「家」;イエ社会の盛衰とイモセの絆;中世公家と家業―難波家・飛鳥井家と蹴鞠 ほか)
3 外国社会における「家」の諸相(中国古代の武士の「家」;北宋中期の家譜;宋代の宮廷政治―「家」の構造を手掛かりとして ほか)