出版社内容情報
大手前大学で行われた第62回日本比較文学会全国大会のシンポジウムをもとに、海外における谷崎評価も踏まえ、比較文学的見地から谷崎の文学に迫る。さらに、谷崎が世紀末的デカダンスの洗礼を受けたとされるノルダウの「世紀末」とクラフト=エービングの「マゾヒズム」の翻訳を収録。
目次
谷崎潤一郎の世紀末
谷崎潤一郎の世紀末と「マゾヒズム」―『グリーブ家のバアバラの話』を中心に
オリエンタリズムとしての「支那趣味」―谷崎文学におけるもう一つの世紀末
海外における谷崎の翻訳と評価―プレイヤッド版仏訳と谷崎文献目録について
文体の「国際性」―『細雪』『雪国』英仏訳からの照射と書との関わり
マックス・ノルダウ「世紀末」―『変質論』第一編
R・V・クラフト=エービング「マゾヒズム」―『変態性欲心理』より
著者等紹介
松村昌家[マツムラマサイエ]
1929年生。大阪外国語大学英語学科卒。大阪市立大学大学院文学研究科修士課程修了。大手前大学大学院教授
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