内容説明
アメリカ文学が自己確立と発展を遂げ、世界文学となった二〇世紀に焦点を合わせ、気鋭のチューターたちがその文学世界の特質とおもしろさを多面的に叙述する。
目次
二〇世紀アメリカ文学の見取り図
第1部 時代を映す鏡としての文学(二〇世紀文学の幕開け;モダニズム・アメリカ文学;ニューディール期アメリカ文学;戦争とアメリカ文学;ポストモダン文学への誘い―『黒い時計の旅』をめぐって)
第2部 多文化主義の文学(女性文学―ヴァイオレンスという座標軸;アフリカ系アメリカ文学;ユダヤ系アメリカ文学;先住アメリカ人の文学;アジア系アメリカ文学―「再生」をめぐって)
第3部 多様化するジャンル(批評理論の変遷;現代詩の潮流―声の諸相を聞く;現代演劇の冒険―テーマ・パークのリンカーン;映像文学;ネイチャーライティングと環境文学―身体としての自然、その隠れた意味の解読をめぐって)
第4部 越境する文学(クィア文学;カリブの文学;村上春樹とアメリカ文学;アメリカ文学を訳す)
著者等紹介
山下昇[ヤマシタノボル]
相愛大学人文学部教授
渡辺克昭[ワタナベカツアキ]
大阪外国語大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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の
3
二〇世紀アメリカ文学を時代・多文化主義・ジャンルの返還・越境性の面から論述する本。20世紀アメリカ文学を学ぶ者として手に取ってみたのですが、基本的なアメリカの背景知識やある程度の英語を知っている人が、手始めに「米文学とは何か」と思って読むのでしたら、かなり有用かも。現在では半ば古典と化してしまったヘミングウェイやフィッツジェラルドから、現代に根ざした文学まで、20世紀アメリカ文学の面白さをしっかりと網羅しています。20世紀アメリカの幅の広さもありますが、もうちょっとテーマを絞っても良かった気が。2011/02/17
KA
2
里内克巳「批評理論の変遷」が素晴らしい。2006年の論考というか小論だが、90年代のニュー・アメリカニズムの勃興を、同時代のキャノン・ウォーズと冷戦崩壊の地政学的変化との交差から鮮やかに示してみせる。なんつー良い仕事なんだ...俺にはできない...2024/02/14
Erato
1
国が歴史的には浅くても、米文学作品に内包されている問題は、人種や社会的背景など広く深い。人種のるつぼアメリカの文学を系統立てて説明。 2009/01/03
ばっは
0
難易度高いなぁと感じつつも何とか読了。 ここに出てた作品をいくつか読んでみようか。2017/04/29
Ecriture
0
入門書ではないけどね。2008/07/22