虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822243722
  • NDC分類 336.4
  • Cコード C2034

内容説明

気鋭の東大教授(経営組織論)による初の本格的な批判。揺れる企業トップ、悩める人事、落ち込む一般社員におくる、「成果主義」の愚かしくも、無惨な正体。

目次

第1章 日本型年功制のどこが悪いというのか(成果主義の赤裸々な実像;日本型の「年功制」とは ほか)
第2章 日本的経営の評価をめぐる右往左往(けじめはつけておかねばならない;いい加減に懲りるべきではないか? ほか)
第3章 人が働く理由を知っていますか?(仕事への思いを解剖する;自発性は信用しうるか ほか)
第4章 未来の持つ力を引き出す(今何が本当に必要なのだろう;「見通し」が与える活力 ほか)

著者等紹介

高橋伸夫[タカハシノブオ]
東京大学大学院経済学研究科教授。専門は経営学・経営組織論。研究課題は日本企業の意思決定原理、組織活性化。1957年生まれ。小樽商科大学卒。筑波大学大学院社会工学研究科単位取得。学術博士(筑波大学)。東北大学経済学部助教授、東京大学教養学部助教授、東京大学経済学部助教授を経て現職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Ryo

8
今我々が一般的で「絶対に無いと成り立たない」と思っている業績評価は、様々な理由から組織的怠業を繰り返す20世紀前半の単純労働をサボらせない事を目的につくられた。特に知的労働については生産した何かの「量」や「時間」といった数字で働きを測ることが怠業防止やモチベーション向上につながらない。怠業しない機械が、人間の単純労働部分を無くして行こうとしている。今こそ人間中心の労働評価・報酬制度が必要なのだろう。それは多分、いまは対極に位置していると思われているそれぞれの制度が止揚したものになるのだろう。2020/09/05

Kokichi

8
人間が何のために働くかを説いた一冊。人間は金のために働いているわけではないと、有名なデシさんの実験を引用して説明している。確かに成果に応じて報酬を設定すると、普段味わえる達成感が後回しになってしまうということは同意。達成感を味わえるから、次の仕事も頑張ろうという気持ちになるのだ。実験結果ではでているものの、実際に体験してみないとわからないものだ。長期的なものにはむいていなく、短期的な社外合同プロジェクトならよいのかもしれない。やはりモチベーションに関する話は面白い。内発的動機を大切にこれからも学ぶ。2020/05/04

長岡紅蓮

7
仕事に対するモチベーションはお金ではなく、仕事の面白さである。不況になるほど、能力主義が脚光を浴びるということが驚きだった。以前、心理学の講義を受けたときに外的報酬(お金)ではなく、内的報酬(活動自体に面白み)を大事にしましょうと言われたのが腑に落ちた。2019/01/03

ツェフ

5
組織論初学者の私にとっては第一章を読めば十分な内容だったと思う。第二章は成果主義がどのように捉えられているのかのという現状分析が中心で、成果主義の功罪や、対案を具体的に示すということが触れられることはあまりない。筆者の意図で先入観を持たせないために初めから「成果主義」の定義を行わずに展開されていく為、様々な意思決定にかかわる要素が認識できず、自分がどの部分を認識すべきかが分からなくなてしう。読む前に基礎的な、組織論における「○○主義」などの概念に目を通したうえで読めば理解しやすかったと思う。(マズローの五2011/10/28

トルネードG&T

4
おそらくこの著者のもっとも有名な書。この著者の書籍は複数で同一の表現がたびたび出現するので、いずれ「何をどの順番で読むか」という段階に来てしまうが、本書の場合は1章が具体例を用いた成果主義批判、2章が日本の経営に関する戦後史、3章がワーク・モチベーション理論通史、4章が未来傾斜原理となっている。ただ3章のおかげで初めて科学的管理法→人間関係論→期待理論→内発的動機付け理論(→未来傾斜原理)という流れであることが理解できたため、順番違いでの復習であっても有用性がある。2019/12/11

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