内容説明
本書では、国際環境法の分野で比較的重要と思われる条約、すなわち海洋投棄規制条約、海洋汚染防止のMARPOL条約、オゾン層保護のウィーン条約とモントリオール議定書、原子力事故に関する二つの条約などについて、それぞれ成立の背景と概観と意義を述べている。これらの条約をみることによって環境の分野での国際法規制を概観することができる。第二部では、国際環境法の基本問題を扱っている。まず、事後救済法として、国家責任と民事責任を扱い、つぎに、事前防止法として、事前の通報および協議、環境影響評価、予防原則を扱っている。最後に、環境と密接に関連する分野として、多国籍企業に対する国家の管理、GATT/WTOを環境との関連で述べている。
目次
第1部 国際環境保護の主要条約(海洋投棄規制条約;海洋汚染防止のMARPOL条約;オゾン層保護の条約および議定書;原子力事故に関する早期通報条約および援助条約;有害廃棄物に関するバーゼル条約 ほか)
第2部 国際環境保護の基本問題(事後救済法;事前防止法;環境と経済)
著者等紹介
水上千之[ミズカミチユキ]
広島大学教授
西井正弘[ニシイマサヒロ]
京都大学教授
臼杵知史[ウスキトモヒト]
明治学院大学教授
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感想・レビュー
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KJ.O
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海洋汚染防止条約(MARPOL条約),国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)など主要な国際環境法について概略を把握出来る。2001年の発行のため内容がやや古い。近年の展開については別途文献をあたる必要がある。本年11月発効したのパリ協定などこれまでの経緯と背景が解る。海運業もこれらの規制を遵守しなければならない訳だが対応が遅れている。漸く来年9月よりバラスト水管理条約が発効する。また、燃料油中の硫黄含有量0.5%以下とする硫黄酸化物の排出規制は更に遅く、一般海域において2020年に発効する予定だ。2016/11/13