インドネシア イスラームの覚醒

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862480330
  • NDC分類 167
  • Cコード C0039

内容説明

近代化論が説くところに反してインドネシアでは、近代化や経済発展が進んできたまさにその時期に、宗教色が強まってきた。その広がりにおいても、深まりにおいても重要さを増してきたイスラーム現象をどのように理解したらいいのか?インドネシアに居を構え、そこで生活するなかで感じた数々の変化や戸惑いを一つ一つ紹介しながら、変容しつつあるインドネシア社会を生活者の目でしなやかに観察した報告書。

目次

第1章 なぜイスラームが台頭してきたのか
第2章 インドネシア、ムスリムの暮らし
第3章 イスラームが果たす社会的役割
第4章 変わりゆくイスラーム
第5章 なぜイスラームはアメリカを目のかたきにするのか
第6章 インドネシア・イスラームはどこへ向かうのか

著者等紹介

倉沢愛子[クラサワアイコ]
1970年東京大学教養学部卒業。同大学院社会学研究科ならびにコーネル大学大学院博士課程修了。大学在学中から日本占領期(1942年~45年)のインドネシア史を取り上げ、1987年コーネル大学で博士号を取得。博士論文『日本占領下のジャワ農村の変容』は、1992年日本で出版された(草思社刊 サントリー学芸賞受賞)。近年は視点を現代インドネシアの社会に移し、とりわけ、開発政策のなかで変容していく庶民の生活を分析、研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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makimakimasa

7
ちょうどラマダン中に読了。スカルノ時代の民族主義、宗教、共産主義を三本柱とするナサコム体制下で、共産党は農村部が活動の中心でNUと被り対立、各々アバンガンとサントリが支持層に相当した。9.30事件後のイスラムは社会規範のみ奨励され、人々は共産主義者のレッテルを恐れて信仰熱心になり、政治運動は封じ込まれ、イラン革命の影響が全てを強化した。1982年から公立学校でジルバブ禁止も、アバンガン的だったスハルトがメッカ巡礼した1991年に解除。彼のイスラム接近政策は、軍との関係バランスや、運動昂揚のガス抜き説あり。2023/04/04

うちこ

2
この本は「インドネシアのイスラーム化の基礎知識」と「イスラームの習慣」と「日本が占領していた頃の失態」が織り交ざって語られているので、イスラームそのものに多少知識がないと読みにくいかもしれません。当時はあまり意味がわかっていなかった「悪魔の詩訳者殺人事件」などはこの本を読むことで経緯を知ることができました。2014/04/16

いっち〜

1
もう10年近く前の本ですが、今に至る前段階のインドネシアのイスラームについて、さらには今のインドネシアのイスラームを取り巻くものを知るための資料としては非常に役立ちました。井戸端会議レベルの話から国政まで広く扱っており、情報量は圧巻です。この本が書かれた時点でインドネシアのイスラームは世俗的な面と教義の面がせめぎあっている段階のようでしが、こうしたせめぎあいを幾度も重ねて乗り越えていったのが今のイスラームの姿なのでしょう。ただ、時代的にインドネシア経済が沸騰する前の本なので、ビジネス面では役立ちません。2015/10/30

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